皆さんにとって2023年はどんな年でしたでしょうか。動きの早いこの世界では時間が経つのが早く、一ヶ月が一年もの歳月に感じるほどです。2022年に引き起こされたテラ、セルシウス、FTXの3大ショックに続いて、2023年にはNFTも同じく価格の下落を体験しました。退出するコレクターもいるなかで、作品を発表するアーティストたちも困難を強いられている様子が見受けられます。しかしたった2年でブロックチェーンの上に新しい「文化」が生み出され、実験を続けるアーティスト、収集を続けるコレクター、新しい価値や視点を発掘し続けるキュレーターたちの営みは衰えることなく存在しています。MASSAGEもメディアとして変わらぬ姿勢で、新しい領域を切り開く試みにフォーカスしその実践の成果を収集し続けてきました。ちょうど一年前のRight Click Talkの出演から、Proof of Xの展覧会キュレーションに至るまで、コンスタントに活動を続けるなかで見えてきたのは、同じ領域に関心を持つ人々の顔ぶれです。草の根で生み出されつつある文化を支える人々、その土壌を耕している多様な人々の存在についても知って欲しい。そういう思いから、この記事ではNFTの可能性をフォローし続けている人々の声に焦点を当てることにしました。世界の広さに比べればごく一部ですが、その声を通じてメモリアルな歴史の一部に触れていただけたら幸いです。
0xhaiku
I think Operator’s Human Unreadable has set a new trend for Art Blocks. 0xDEAFBEEF’s HASHMARKS is a massive art project that is unparalleled when you include the Bright Moments journey. JPG was closed. I was very sad to hear the news. I chose it in the hope that a similar community will emerge in the future.
Operatorの「Human Unreadable」は、Art Blocksに新しいトレンドを提供したと思います。0xDEAFBEEFの「HASHMARKS」は、Bright Momentsの旅を含めると、比類のない巨大なアートプロジェクトです。JPGの閉鎖はとても悲しいニュースでした。将来、JPGに似たコミュニティが生まれることを期待し、選定しました。
hrtk
来年は半減期(予定)です。
A-Mashiro
- Bright Moments Tokyo
- REACHING FOR THE FUTURE -NFTはアーティストをどう変えるのか?-
- Proof of X – Blockchain As A New Medium For Art
年初から徐々に市場が低迷していく中で、いくつかのプロジェクト、プラットフォーム等がサービスを停止しました。また、アーティストたちも様々な手法での作品の制作、PR、販売を検討していくこととなりました。クリプトの世界でこのような失速はもう何度目か数えられませんが、NFTからこの業界に入ったアーティストたちにとっては初めてのことだったと思います(そもそもクリプトとNFTの流行り廃りを同じ目線で語ってはいけないかもしれませんが) 。個人的にはこの状況は一種の浄化期間であり、加熱し過ぎた業界を正しい方向へ導く良い機会であると思っています。勿論、ここからもう復活することもなく過去のものになることもないとは言えません。どちらにしても、このような状況になった今、アートに限って言えば、より厳しい生存競争が行われることになると思っています。NFTという珍しさは去り、純粋にその作品の価値について語られることになると思います。その中でそれに耐えうるだけの強度を持ったアーティスト、作品が今後残っていくことになると思います。
Akashi
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「Synchronicity」by zancan
- 「Touched Grass」by zancan
- AIアート「Emerald Latents」「Amor AI Verde」by Helena Sarin
2023年は「95%のNFTが無価値」「NFTは終わった」と言われたNFT冬の時代でしたが、一部アートのNFTは価格が0へ向かうどころか上昇傾向にあったように感じます。FTXとスリーアローズ・キャピタル(3AC)の破綻による債務整理の一環で、その3ACのNFT投資ファンドであるスターリー・ナイト・キャピタルが保有するNFTのアートコレクションがサザビーズでオークションにかけられると価格が桁違いに高騰したのはまだ記憶に新しいところです。またMoMAやポンピドゥーセンターなど美術館にNFTが収蔵されたニュースもあり、「NFTは終わった」という印象は全くもつことはなくこの年末に至ってます。そんな金融とアート界隈とともに今年印象に残った作品を3つ。(全てテゾスチェーン)
1. 2023年初の「Synchronicity」by zancan
アンディ・ウォーホル の「ドル サイン」のオマージュ。2023年暗号資産の価格がムーンするか0へ向かうか(”T”o “Z”ero)?! 「テズ サイン(tz)」のアートですが通貨トークンそのもので多くの取引が行われており2022枚で流動性も十二分でした。
2. Versum コレクションのラスト「Touched Grass」by zancan
タッチ・グラス:「外に出る」や「現実に戻る」という意味のスラング。チャートが下落する中、ヴァーサムNFTマーケットプレイスの閉鎖に合わせてミントされた作品。なお、この作品がミントされてから暗号資産価格はバブルへ向けて上昇中?? tez(XTZ)は底打ち?? 絵の解説にあるポエム通り?? チャートとガーデンを描いた現代的な美しいジェネラティブアートです。
3. AIアート「Emerald Latents」「Amor AI Verde」by Helena Sarin
約2年ぶりのテゾスチェーンで同時にドロップされた作品で、Helena Sarinの作品で世界一求めやすい低価格で、今後ミントされる予定がないアニメーションのグリーンAIアートです。エディションなので複数枚所有可能。ChatGPT、生成AIの人気からNVIDIAの株価が高騰しましたが、AIジェネラティブアート分野の先駆者として活躍するHelena Sarinは2020年にはNVIDIA AI ギャラリーの常設展示で紹介されています。アートにもNVIDIA。年々知名度が高まるジェネラティブアートやAIアートは今後日本でも更に注目されそうです。
Ara
2023年に印象的だったことのひとつは、NFTのロイヤリティ(二次流通収益)支払いに関する騒動です。スマートコントラクト上、支払いの強制が難しいのはわかりきっていたことですが、Blur の台頭によるその露呈、OpenSea の焦り、Yuga Labs の反対声明など、長期に渡り、いまだ実証的な答えが出ていないアートのロイヤリティ問題について考えさせられました。
Jack ButcherのOpenpenは、著名アーティストや様々なチェーンの公式アカウントを巻き込んだムーブメントを巻き起こしました。誰でも簡単に Openpen風の画像を生成できるツールがつくられたのが印象的でした。ことの発端は、クジラのコレクターと、インフルエンサー、お金を持っている企業だったようです。ムーブメントを起こすにはいくつかの条件が必要みたいですね。このムーブメントで得られたものは何だったでしょうか。
Ethereum以外のNFTも増えてきたと感じます。CoinbaseのBaseチェーンがローンチされ、Onchain Summerという掛け声のもとに様々な作品が発表されました。これはお祭り騒ぎでした。年末には、BlurがBLASTチェーンを発表しました。また、SolanaのNFTも、トークン仕様のアップグレードもあいまってか、非常に数が増えています。Arbitrumや Optimism のNFTも数を伸ばしています。これらの出来事に感じることは、チェーンの永続性の重要度合いが下がってきたのかな、ということです。
この1年を振り返ると、NFTを使ったアート作品の幅と数が増えたと感じます。ただ、個人的には、今年はNFTをあまり買いませんでした。それは、チェーンの選択肢が増えたことで、その作品がどれほどそのチェーンの固有性を意識したものかを、これまで以上に考えるようになったからかもしれません。この観点は、なぜNFTなのかを考える上で重要なことだとあらためて思うわけです。
OpenSeaやMagic Edenがコレにアイコンを変更、アーティストのBeepleも描くなど英語圏でブームとなっているNFT「Openpen」とはなにか?
for the culture. -(web3)カルチャーのために-
いまNFTスペースでおこっているムーブメントをスレッドで解説します pic.twitter.com/KxT4qkeKL4
— miin l NFT情報コレクター⚡ (@NftPinuts) July 18, 2023
Benoit Palop
- ♡( ◡‿◡ ) The Seeker – Karborn x Transient Labs
- John Provencher’s Lore
- MoMA Postcard (for the culture!)
In 2023, I observed new ways to build compelling narratives within the NFT space, alongside a rapid acceleration in aesthetic evolution. This shift is characterized by a happy embrace of simplicity, early computer graphics, and the Y2K aesthetic—a trend that, while already underway in previous years, has intensified in the current one. This resurgence could be attributed to a strong saturation of AI-generated art, CGI, and a desire to break away from hyper-data aesthetics. Personally, I find no cause for complaint; my longstanding love for tech-nostalgia and the early web aesthetic makes this move particularly cool.
2023年、NFTの世界で魅力的な物語を構築する新しい方法を目の当たりにしました。それは、美学の急速な進化と共に進行しています。この変化は、シンプルさへの愉快な受容、初期のコンピューターグラフィックス、そしてY2K美学という特徴によって表されています。このトレンドは、すでに過去数年で始まっていましたが、現在の年においてより強く表れています。この復活は、AI生成アートやCGIによる強い飽和状態、そしてハイパーデータ美学からの脱却への欲求に起因していると考えられます。個人的には、何の不満もありません。テック・ノスタルジアや初期のウェブ美学への長年の愛が、この動きを特にクールなものにしています。
bouze
1. 冬相場で起こるプレーヤーの新陳代謝
2023年は2021年から始まったNFTの投機的加熱が落ち着き、タイムラインから大勢のプレーヤーが消えました。今なおNFTと関わっているのは純粋なNFTに関心を持っている人達なのかもしれません。とはいえ、売れた売れないという経済面の結果が強調される世界なので、アンダーマイニング効果で過剰に減った感も否めません。中でも国内屈指のNFTコレクターLev氏のアカウントが8月頃に削除された事件は個人的にも衝撃は大きかったです。削除の理由は定かではありませんが、黎明期からNFTの可能性に気づき、界隈の盛り上がりに大きな貢献をされていただけに残念です。とはいえクリプトのサイクルはこれまでも新陳代謝を繰り返してきました。ICOブームやDeFiサマーも、クリプトへの資金流入に比例して加速、そして資金流出とともに失速、そのたびに多くのプレーヤーが入れ替わりました。
2. OpenSeaのジレンマ
2023年は純粋なNFTの探求が進みました。NFTを通じた体験を拡張しようとする者、NFTそのものを拡張しようとする者、まだ広くは認知されていませんが、彼らによって新たなパラダイムが形成されつつあります。
その一方で、誇張されたNFTの幻想も崩れつつあります。NFTとセットで永続性というキーワードが語られてきましたが、永続性が担保されているのはトークンそのものであり、付随するデータの永続性はまちまちです。黎明期に立ち上がったNFTのプラットフォーム「Digital Objects」や「R.A.R.E Art Labs」で提供されていたNFTは、サービスの停止とともにメタデータにアクセスができなくなり、ブロックチェーン上には絵もタイトルもない形骸化したトークンだけが残っています。
NFTの作者に売上の一部が還元されるロイヤリティも同様です。そもそもこれはNFT自体の機能ではありません。もとはOpenSeaに実装された機能でしたが、投機的加熱の頂点でNFTの需要と供給のバランスが逆転したこと、競合するマーケットプレイスが乱立したことによって経済的合理性を失い、今はNFTの売り手が任意で支払うというオマケ機能になっています。
3. “今日”を生成しつづけるスマートコントラクト
2023年に発表された作品のなかで個人的に推したいのは「TODAY」です。現代アート作家の河原温(1932~2014)の「TODAY」シリーズ(1966~2013)をブロックチェーン上で再現した作品です。一日にひとつ、その日の日付が入ったNFTがスマートコントラクトによって生成され、誰かがMintすることでブロックチェーンに刻まれます。
河原温は「TODAY」シリーズにおいて、その日に完成しなければ作品を破棄するという”ルールを運用すること”に重きを置いていたといいます。これを自律的にルールを執行し続けるスマートコントラクトで再現するということは、強い必然性があります。
余談ですが、河原温は今日という短い時間を表現する一方で「One Million Years」(1999)において永遠とも言える長い時間を表現しています。この長い時間に対する河原温の関心は、ブロックチェーンの永続性というコンセプトとも共鳴します。
Chromory
月並みですが今年も色んな出会いや体験がありました。来年はもっとワクワクしますように。
工場長
1. NFT ART TKOYO3
恥ずかしながらも、自分たちが主催しているNFTARTTKYOが一番熱量高くチャレンジしたことなので1位とさせてください。NFT ART TOKYOは、日本のアーティストがNFTを通じて活動を広げるための「陰で支える存在」になるため、2023年は渋谷PARCOとBAIAを舞台に渋谷の街ををジャックし、過去最高の1日5,500人の来場者を迎えました。そんな中まだまだ課題や新たに挑戦したいこともたくさん見えてきました。来年に向けてチーム一丸となって議論が始まっており、今までと変わらずアーティストと来場したファンとの交流や、コミュニティでの交流を続けながらも、次のフェーズは、今まで以上に日本のアーティストが世界で日の目を見ることを目指したイベントにしたいです。2024年のNAT4を楽しみにしていてください!
2. memeland
彼らはmeme(ミーム)というブームを作り出し、NFTとしても見事にmemelandというブームを作りました。NFTのリリースにおいて、タイミング、ジョークやユーモア、ファンダ、全て完璧でした。2024年も彼らのチームには注目していきたいと思っています。
3. 「SUN」by YOSHIROTTEN INSTALLATION 2023
数々の有名アーティストとコラボレーションしてきた新進気鋭のグラフィックアーティストYOSHIROTTEN。グラフィックアートの世界からNFTへ挑戦した彼のリアルイベントは、今までの、どのNFTイベントとも違いました。広大な会場で光と煙と音に包まれた素晴らしい空間演出によるインスタレーションは、私にとって、本物を見せつけられた瞬間でした。そしてどこか悔しさもありながら、それを忘れるほどの感動がありました。
草野絵美
2018年ごろから生成AIの前進であるganやスタイルトランスファーで遊んでいましたが、実際に作品制作に取り入れるようになったのは今年の頭でした。5月のBrighr Moments Tokyoでの作品発表を皮切にアート活動が加速していき、結果的にこれまでくすぶりつづけた20代の10年間におきた出来事を凝縮しても追いつかないほどの飛躍の年になってしまいました。ニューヨークのクリスティーズのオークション、Art Blocks marfaを初め、世界中で展示をすることができ、この1年で尊敬できるジェネラティブアーティストにたくさん出会うことができました。
1. CIVICS by Kevin Abosch
私が今回選出させていただいた作品は、どれも頭1つ抜けたコンセプトの強さと、ジェネティブであることの、或いはトークンに乗っていることの必然性が切実で、もしかしたら人間にしかできない革新的なクリエイティブを感じたものです。トークンアートの父であるKevin AboshのAI作品はどれも面白いですが、なかでも架空の暴動を描いた「CIVICS」は、AIが作り出す多元的ポストトゥルースに真っ向から一石を通じて、不確実性の高い今の時代を生きる人間たちの心を戦慄させました。
2. 「Human Unreadable」 by Operator
Operatorの「Human Unreadable」は計算され、尽くした、美しいビジュアルを、Art Blocksのフォーマットに見ながら、1つのライブラリに集約させた技術力の高さがあります。身体性は、いずれ口果てていく人間の最後の砦だということに人類が気づき始めた今年に出すことに時代性を感じました。
3. Paradox by Botto
AIアートの先駆者であるMario Klingemannは、やはりたいていのアーティストよりさらに先を行っています。今年になってAIアートは形を変えました。かつては機械としての質感を探究する媒体でしたが、今やあらゆるスタイルを抽出して混ぜ合わせるパレットになりました。そのような時代になっても、AIの自律性と、そこに残された人間との関わりについて考えずにはいられないような作品がBottoです。DAOのコミュニティーの意見に合わせて作品が生成され、オークションが開催されるのです。
EXCALIBUR
1. 美術館への収蔵(フランス国立近代美術館、ロサンゼルス・カウンティ美術館)
2023年、個人的に最も印象に残った出来事は、NFTが世界有数の美術館に収蔵されたことでした。2019年にブロックチェーンアート(当時はNFTアートという言葉がありませんでした)を知ってから、いずれ来る未来だと感じていましたが、思ったよりも早かった印象です。この収蔵の呼び水となったのは、2022年11月から始まったYuga Labs「Punks Legacy Project」によるマイアミ現代美術館(ICA Miami)への寄贈であったと感じます。その後、2023年2月にフランス国立近代美術館(ポンピドゥー・センター)やロサンゼルス・カウンティ美術館(LACMA)などがNFTを収蔵しました。しかし、NFTにはウォレット問題が永遠に寄り添います。例えば、ポンピドゥー・センターに寄贈されたはずの「CryptoPunk #110」はYuga Labsのウォレット、 LACMAに寄贈されたはずのDmitri Cherniak「Ringers #962」はCozomo de’ Mediciのウォレットが所有しています。
それでは、美術館は何を寄贈されたのでしょうか?美術館はIPFSなのでしょうか?私自身は神社仏閣が神像・仏像を美術館に寄託して保管してもらう形に近しいと感じています。神像・仏像が美術館に展示される際には、一般的に”魂抜き”の儀式がありますが、NFTの美術館への収蔵とは、このような”デジタルデータの魂抜き”とも関連して議論できそうです。
2. AIアートの拡大(Bottoの再評価)
NFTとAIアートの関係は古く、SuperRareコントラクトのトークンID 1はRobbie Barrat 「AI Generated Nude Portrait #1 」(2018)です。また、2018年にクリスティーズで行われた世界初のAIアートオークションはObvious「Edmond De Belamy」ですが、Obviousも2018年からSuperRareにてAIアートのNFTを 鋳造しています。2021年にはAIロボット Sophiaと人間 Andrea BonacetoのコラボレーションNFTがNifty Gatewayにて発表されました。現在では、生成AI技術の民主化によりAIアートがNFTとして発表されることは、もはや当然のことになりました。AIとNFT、どちらも民主性という点で非常に親和的です。その中でも、今年はAIアートをDAO的に推進していたBotto (2021-)が再評価されたと感じました。BottoはこれまでのツールとしてのAIから、プロジェクトもしくはアーティストとしてのAIという次の領域に進んでいると感じます。例えば、グラフィティクルーは複数名であるにも関わらず匿名的であるが故にある種の単一性を持ったアーティスト像が浮かび上がります。Bottoにはそれに近しい暗号文化ならではのアーティスト像が浮かび始めているように感じます。
3. levさんの引退(冬眠)
こちらに関して、多くのコメントはできませんが、私がブロックチェーンアート(クリプトアート)に興味を持った2019年当時、日本語でこの文化について発信していたのは、私が知る限りlevさんだけでした。非常に多くのことを学ばせていただきました。誠にありがとうございました。
閲覧用
本年を振り返ってみると、年初から春にかけてはBlurによるエアードロップやロイヤリティ論争の影響もあってかNFT界隈も活発であった記憶が残っています。また、大きな関心を持ってフォローしているジェネラティブ・アート分野においても印象的な作品・コレクションが数多くリリースされ、「仮想通貨冬の時期」を感じることはありませんでした。特にArt Blocksにてリリースされた「Voyager」(DisruptedStar)、「Solar Transits」(Robert Hodgin)、「Memories of Digital Data」(Kazuhiro Tanimoto)といった作品は素晴らしいクオリティで、リリース直後は気に入ったアウトプットがセカンダリマーケットで売りに出されていないか常時チェックをしていた程です。
5月にはBright MomentsによるIRLイベントが東京で開催されました。私も「Tokyo Collection」のミント・鑑賞のため旧朝倉邸を訪れ、その雰囲気を存分に楽しむことができました。所謂クリプト系のイベントに参加したのは、これが初めてということもあり、非常に新鮮な体験でした。
また、Bright MomentsのIRLイベントと同時期にウルトラスーパーニューギャラリーで開催された展示イベントも触れないわけにはいきません。この場で目にした「GINGA」(A-Mashiro, Yi-Wen Lin)は、今年一番気に入ったコレクションです。
春以降においては、有名PFPコレクションの価格の下落に象徴されるように、NFT領域全体が勢いを失った印象がありますが、fxhashやobjktといったTezosチェーンで素晴らしい作品、クリエイターと出会うことが出来ました。12月にはfxhashの大幅アップデートを控え、多くの興味深い作品がリリースされることから、再度NFTの領域が盛り上がりを見せ、来年も新たな素晴らしい作品と出会えることを期待しています。
鵜飼一誠
NFTプロジェクトには色々と関わって来ているのですが、「The Laughing Man Incident」という攻殻機動隊IPを使用したフルオンチェーンのプロジェクトをファウンダーとしてリリースしました。IPというブランドとライセンスとweb3の在り方を考え抜いたプロジェクトです。ハイライトのNo1は恐れ入りますが、自身のPJです。そしてこれを作る際に影響を受けたアーティストの作品が2と3です。バーンコントラクトをメディウム的に活用した表現には当時相当やられました。同じくOpepenはweb3のミームカルチャーをレプリゼントしながら、APIテクノロジーを導入していたりオープンエディションでのリリースなどやはり表現がメディウムっぽく非常に面白い。そして怪しいw。これらをもっとポップアート(アンディーウォーホル)の様に扱えないかと考えThe Laughing Man Incidentをつくりました。
Generative Maxi
今年の最も印象的だったイベントはBright Momentsでした。世界中から多くのアーティスト、コレクターが渋谷に集結して、1週間近くもの間同じ空間で過ごしたことは得難い体験でした。年末に向けてはfx(hash)2.0のリリースに大きな期待をしています。テゾスに加えてイーサリアムにも対応することになり、ジェネラティブアート最大のプラットフォームへと成長していく大きな原動力になっていくのではないでしょうか。アーティストでは去年に続き今年もqubibiを最もコレクトしました。これだけの引力を感じるユニークな作品は中々他には見当たりません。ジェネラティブアートのトップアーティストの中でもqubibiは頭ひとつ抜けていると個人的には感じます。
Gin
NFTの一時的なブームが終わり、定常的に盛り上がるプラットフォームやプロジェクトがあるなかで、それを維持できなかったものは終焉を迎えたこともあり、明暗が見えてきた一年に感じます。その様な状況の中、「Universal Rayhatcher」はアーティストとコレクターの相互性により生み出されるfx(params)を最大限に活用して盛り上がりを見せたジェネラティブアートNFTで印象に残りました。
hasaqui
2023年はNFTの下落が大きな話題となりました。今後も大なり小なりハイプはあるでしょうが、今回Crypto Richが下落によってダメージを受けている以上、2021年のような状況が再現することや、PFP及びCrypto Artがあの当時の感覚で再起することはないように思います。私も含めシーンに関わる者たちの反省と誠実な歩みに期待を寄せるしかありません。今回選んだ3作品はいずれも私が面識のある日本のアーティストの作品から選んでいます。身近なところから推していきたいのです。
1. Bouze 《REFERENCE》
Bouzeが「Proof of X – Blockchain As A New Medium For Art」展のために制作した作品。岩と、その岩の所有を証明するブロックチェーン上のNFT、そのNFTを所有するWallet、の3要素から構成されている。そしてウォレットのシードフレーズを岩に埋め込み、NFTの位置を示すスマートコントラクトアドレスを岩の底に刻むことによって、参照関係の円環を生み出す作りになっている。岩が岩を所有するその自己言及的な様態はモダニズム的であり、同時にメディウムに対する洞察にも富んでいる。同様の構成でBouzeはシードフレーズを「写ルンです」で撮影し、それをオブジェとして固める《REFERENCE Ⅱ》という作品も発表しており、こちらもカメラ・フィルム・写真といった(これまでに「指標(index)」を巡る議論が重ねられている)メディウムを巻き込みつつ、NFTの所有と参照の問題へと巧みにつなげている。
2. 「Fuji」 by ykxotkx
Blind Gallery x Feral File Vistas Editionとして、ykxotkxによって制作されたジェネラティブアート作品。ykxotkxはこれまでに浮世絵を模したデザインセンスあふれる「ukiyo-e seascape」や、錦鯉の精巧な造形と色彩をコードで描くことに成功した「Nishikigoi NFT」などの作品を発表している。また、MoMAによるNFTアートプロジェクト「MoMA Postcard」のアーティストとしても参加し、既にジェネラティブアートシーンにおいて世界的な評価を得ているといってよい。本作はモノトーンでの鮮やかなコントラストにより富士山の重厚さやギラギラと輝く太陽の日差しを表現し、その神聖さと畏敬を表現することに成功している。ykxotkxは富士山を描いてきた先人たちへの敬意を表明しているが、本作もジェネラティブアートの表現可能性を押し広げていて、このようなハードコアな富士山をコードによって描いていることに畏敬を感じながらここに選ぶことにした。
3. 「Hospital room」 by nejio
nejioが入院生活を経て、自身の障害と向き合いながら制作したジェネラティブアート作品。Descriptionによれば住宅謙信の句集『未完』にインスピレーションを得て制作したとあるが、nejio自身も詩的なテキストを書き詩的なジェネラティブアートを作る希有な才能の持ち主である。
「Hospital room」はあたかも画中画のように矩形の中に矩形が配置され、病院の開けることのできない窓、そこから見える風景が再現されている。そしてnejioはNFT作品自体をその窓と重ね、次のようにDescriptionに書いている(原文は英語)。
「窓の開け方はよくわからないが、NFTの断片的な窓は、購入という行為を通して誰かに垣間見られることで開かれ、孤独を感じなくなるのではないだろうか。NFTの中にある自分の断片は、隠された存在でもなければ、孤立した存在でもない。そんな存在になれるよう祈りたい。」
Hitomi Hasegawa(FIKA)
現代美術アーティストとコラボして3dのデジタルツイン制作し、NFTにしています。www.fikafika.net
JELLY
今年は全体を通してNFTにとっては色々な転換期にあったと思います。昨年からNFT(NFTというこの言葉からも)離れが進み、今年前半はアーティスト、クリエイター、プロジェクト等々関係者にとって非常に苦しい時期が続いたと思います。だんだんとクリプト全体の相場が回復してきたためか、中盤以降は一部のNFTには資金が流入してきた印象です。しかしこの間、Twitter(X)上では、よく「Keep building」という単語を目にし、志のある方たちは継続的に創作活動に勤しんでおられたことをしっかりとこの目に刻んできました。Pudgy PenguinやRTFKT等、IRLでのRWAと呼ばれる分野に進出をはじめ、またMurakmiFlowerやAvanteArte等、NFTと関連したリアルのアート作品の販売もあったり等、徐々にDigitalとPhysicalの境目が無くなってき始めているような気がします。
Kawari SKULL
2023年は市場が落ち着き、バブルによって一つに集まっていた人々がそれぞれの持ち場に戻っていき、一人一人が新たな世界を開拓していくような年のように感じました。
1. Ordinalsの登場
今年の最初にbitcoinのNFTとも呼ばれるOrdinalsというものを知りました。今まで自分の持っていた固定概念のようなものが変化する出来事の一つだった気がします。僕自身でも10作品程ですが作品を発表しました。
2. Bright Moments Tokyo
Bright Moments Tokyo。最前線で活動されているアーティストの方々や色々なコレクターの方も東京に集まり、展示や体験を一緒に参加できた事はとても良いきっかけとなりました。
qubibiさんの作品がとても印象に残りました。
3. ChatGPT
NFT ARTの世界にも今年はAIの作品が増えたようにchtagptを含む多くのAIのサービスが僕自身にはとても興味関心の世界でした!自分自身でもp5.jsでのプログラムでの制作などでの制作の幅が大きく広がる要素にもなりました。
クマブクス
「THE NEW CREATOR ECONOMY」で発表されたInaba Hidekiさんと0xhaikuさんのコラボレーションプロジェクトは自分にとって嬉しい出来事でした。書籍で作品集やInaba Hidekiさんのデザインされた雑誌を集めていたことと0xhaikuさんのプロジェクトの「Progressive」もコレクション中だったので、コラボレーション作品の「Preview」をMINTできたことは心に残っています。art stage OSAKAでは「Generativemasks」のフィジカル展示やProof of Xの中で「PlayTrain」や「Connected Windows」の展示を見る事ができ、たかくらかずきさんの展示作品の中で3つの言葉を選択して(AIを使って?)完成した妖怪をシールにしてもらえたのも印象に残っています。個人的にはデジタル⇄フィジカルの体験が増えた年になりました。DecaはKjetil GolidのDecagonを育てるのが楽しく、毎日レベルを上げていて、新しいアーティストを知るきっかけになったり、いろいろ進化もしているのでDecaにも注目しています。
Kazuhiro Tanimoto
求められている回答からズレているような気もして恐縮です(特にNo.1)。2023年は、異常とも言えるNFTバブルの終焉が否定できない確実なものになり、自分が大事に思っているフィールドが一夜の夢のように消えてしまうのではないかと不安を感じた1年でした。それでもブロックチェーンやNFTといった技術がこのまま無くなっていくようには思えず、インターネットやスマートフォンのようにある程度の時間をかけながら社会に広く浸透していくものだと感じ、今後も活動を継続していきたいと思った1年でもありました。どんな形であっても10年後に2023年を懐かしく思い出すだろうと思います。
1. 2023年2月 ジェネラティブアート NFTマーケットの冬の兆候
fxhashでリリースされるハイクオリティな作品達が突然売れなくなった。ArtBlocks curatedでリリースされる作品達もSold Outになる価格がずるずると下がっていった 。
2. Bright Moments Tokyo
じりじりとシュリンクしてくNFTマーケットを感じながらも、世界中からアーティストや関係者が集まり、一生現実には会うことがないと思っていた人達と会えた素晴らしいフェスティバルでした 。
3. Art Blocks Marfa
参加した訳ではありませんが、SNSで見ているだけでも熱を感じることができ、NFTが下火になっても、ジェネラティブアートは無くなる訳ではないと実感できました。
松橋智美
3つだけをセレクトするのは厳しかったです。
MISOSHITA
- Proof of X – Blockchain As A New Medium For Art –
- Decentraland Music Festival ‘23
- OASIS Community PASS NFT
Proof of Xに関してはブロックチェーン×アートの普遍的な可能性を感じました。後者2つは自分がクリエイティブで参加した印象深かったものです。
mochio
今年はNFT(PFP)のフロアが下がりアートコレクションの流動性が無くなって行ったこともあり、コレクターとしてどう過ごしていくべきかについて色々と考えることが多い1年でした
1. Bright Moments TOKYO
そんな1年のハイライトは順に、昨年から楽しみにしていてNFTのイベントとしては他にないような体験としていくつかの美しい瞬間が記憶に残っているBright Moments TOKYO。結果的に非NFT層を巻き込めたのか、日本のNFTシーンにアートを根付かせる何かを残したのかは分かりませんが参加した人にとって目指す場所という基準のようなものが残ったように思います。
2. Life In West America by Roope Rainisto
今年は世の中の大きな話題としてAIがあったと思いますが2月に出たこのコレクションが自分の中では「AIも一つの表現の道具であり、人間の思考を拡張し限界を広げる表現なのかもしれない」という新しい思考をもたらしてくれました。それはアートに対する見方だけでなく自分が生活の中でAIを使うときにも影響を与えているように思います。
3. Blur
サービス開始は昨年ですがOpenSeaからシェアを奪い取りPFPに流動性をもたらしたものの、ロイヤリティの仕組みを破壊しある意味ではNFTのマーケットのルールもマーケットそのものも壊してしまったのでは、という思いがあります。Blurがいてもいなくても結果的には同じことが起こったのかもしれないですが1年振り返るとBlurによって今年の初めの頃とは随分景色が変わったな、という思いがします。
あまりアクティブに動けない1年でしたが「自分なりに」を見つけてこの先もアートを中心に楽しんで行ければと思っています。
セイオー SAYOOOOOh
1. Ordinals
まず、今年欠かせない話題としてはBitcoinチェーンのOrdinalsの登場です。Bitcoinは分散性、固有性、透明性の高さが特徴ですが反面、容量が制限されているため基本的にデータ容量が制限されています。これについては今後なんらかの発展があると想像しますが、その制限から多くのクリエイターが参入を躊躇することもあると思います。それが逆にコアな世界観を作っており、Bitcoin自体の歴史が古く、伝統がNFT表現の文脈になり、ミームが歓迎される土壌があることも、ネットワーク上のアートとしての面白さがあると思っています。また、Bitcoinのブロックを元にしたBitmapという、分散型デジタル所有権としての不動産的権利標準が登場し、メタバースの再解釈が進んでいくと思っています。個人的には、Ordinalsがデータベースとして何よりも確固たるものと感じているので、その上に構築されるメタバース概念というものに大きな感動と期待があります。これらOrdinals関連の技術が数時間単位で進んでいくのが、とてもエキサイティングで、2023年の大きな特徴であったと思います。
2. Maison Margiela Mint Game
これは今も進行中でゲームというにはあまりにもシンプルなルールで、早押しでトークンを集めていくのですが、時同じくして世の中ではスイカゲームという極シンプルなゲームが話題になっていて、ゲーム性という言葉の意味を考えさせられました。NFTはゲームとの相性が良いと思いますが、ゲーム性を追求しすぎると間口は狭くなるので、広く一般層に広がる起爆剤みたいなものがこの辺にあるような気がしています。
3. Foundation World
3つ目は、Foundationのworldです。私は個人クリエイターとしてのNFTに参入したときに、クリエイターが同時にコレクターでもある風潮に驚きました。今でもそれに違和感を感じてしまうのですが、今後のアートの進化にはコレクションすることもクリエイティブの一部にしていくことが必要だと感じており、NFTはその大きなきっかけになっていく可能性があると思っています。そのためにキュレーションも個人単位で構築していく場所が必要かと思うので、その試みの1つとして、Foundationのworldのこれからに期待しています。
これら上げさせていただいた3つは、それぞれ違うプラットフォーム上ですが、NFTが本当にデジタル上の資産になっていくために必要な、データとしての確固たる唯一性、地盤となる世界、ゲーム性、コレクタブルという要素をそれぞれ担っており、今後絡まり繋がっていくことを想像しています。
OTO
- Ordinals
- ZEROONE
- PEPE
1. Ordinals
recursive, parent-child, DMT…など、オンチェーンのデータをそのまま活用しアートに反映したり開発する文化が醸成されている。今年最大の出来事は間違いなくオーディナルズの登場だった
2. ZEROONE
無料ミント・コレクトということで売れないと悩む必要がない、チャレンジをしやすいなど、ベアマーケットにおける作品交換のような新しい体験を作ってくれた
3. PEPE
2月にORDINALSでPIXEL PEPESが登場し4月には$PEPE、他色々なチェーンでもPEPEが登場し賑わった年だった。日本人には理解が難しいミームという文化は来年さらに大きくなると予想している
Saeko Ehara
- Bright Moments – Bright Girls
- VerticalCrypto Art Residency
- Project22 “Van Gogh X Japan”, solo show at TODA Dubai
2023年は、NFTのリリースだけでなくリアルなスペースでの展示も数多くありました。その中でも特に印象に残ったのが、Bright MomentsとTODA Dubaiでの個展でした。特に、Bright Momentsでは、その場で作品を購入してくださった方と直にコミュニケーションが取れたことが特別だったと思います。TODA Dubaiの個展には足を運ぶことができませんでしたが、お客さんが展示を楽しんでいる様子がSNSの動画から伝わってきて「NFT」という枠を超えて展示を楽しんでもらえたことがとても嬉しかったです。
VerticalCrypto Art Residencyへ参加させていただいたことも、とても印象的でした。Crypto Artの歴史や現状を素晴らしい講師陣から教わったり、活躍しているアーティストの話を聞くことが出来て、自分自身の活動に大きな刺激をもらいました。
NIINOMI
(Canonのリリース自体は2022年末ですが、その中でもコンセプチュアルアートのオープンキュレーションであるConceptual Canonをピックアップ)
2023年のNFTシーンは、以前にも増してブロックチェーンの技術やコンセプト、体験に関心が集まり、探求がなされていった年かと思います。なかでも今回は、NFT・ブロックチェーンのメディウム特性に焦点を当てた試みをピックアップしました。こうして振り返るとたくさんの面白い試みがされており、まだまだ探求の可能性がある分野だと感じます。来年も楽しみですね。
れんちょん
EVM以外のチェーン、例えばBitcoinなどにおいてもそれぞれの特徴を活かしながら”Non-Fungible”なTokenという枠組みの中で様々なConceptualが生み出されている時代、2023年は凄く興味深いと思います。
VERYMASA
1. White Rabbit
個人的にいまだに一番好きなNFTプロジェクトがShibuyaです。このプロジェクトはPplpleasrとMarciej Kuciaraによるアニメーションプロジェクトです。初回で発表されたパイロットのようなアニメ作品が「White Rabbit」で要はクラウドファンディングのようなスタートでした。アニメーターとファンが一緒に作品を作り上げてUGCや参加も可能なスタイルです。またDAO要素もあり自己のトークンも発行したりと色々とチャレンジをしているプロジェクトです。アニメ内にゲームや選択要素もありただ完成したアニメを見るだけでなく共に作り、楽しむ体験ができます。
しかしもっとも自分が好きなのはチームのクリエイティブで最高のアニメを毎回届けてくれる事です。「White Rabbit」は全7話で現在4話まで発表されています。サイトで全てを見る事も可能です。自分は2年間以上この業界にいますがShibuyaを超えたプロジェクトはいまだに出会っていません。まだまだ現在進行形のプロジェクトなのでこれからが楽しみです。
2. Bright Moments Tokyo
言わずと知れた最高のジェネラティブアートDAOだと思います。自分はBright Moments Londonを初めてTwitterで見てDAOを知りました。そして東京に来ると知り参加をしました。香港にいる事でハードルは高くなりましたがCryptoTokyoiteのミントにも参加でき多くの人々と出会う事ができたイベントでもあります。
この会場で初めてジェネラティブアートを目で見たり、パネルディスカッションに参加したりと色々と刺激を受けたイベントでした。このイベントがきっかけにジェネラティブアートやAIアートに興味を持ち勉強も始めました。
3. Rise of Blus
またまたアニメーションになってしまうのですがこちらは最近1話と2話が公開されたばかりのアニメーションです。これはNounsの提案から生まれたアニメーションでAtriumと組んで製作されています。今一番のお気に入りのアニメかも知れません。
自分はNounsやDAOのシステムがとても好きでNounsやサブDAOに参加しています。個人的にはNounsはもっとも完璧なDAOだと感じていてDAO内の人たちも個性的な人達が多いです。世界中にNouns好きが集まって色々な提案を実現しています。
「Rise of Blus」以外にも色々とNounsのアニメーションは存在しているのですが全て短時間ものが多く1話で完結しています。このアニメーションも現在進行形で新しい回がリリースするのが待ち遠しいです。これからどのようなストーリー展開になるかとても楽しみです。
AMOKU
2023年のNFT領域で特に印象的だったのはZORAのプロトコルリワードの導入です。これはクリエーターとコレクターへの利益分配に焦点を当てた革新的な経済モデルです。このモデルはクリエイティビティを利用してインタラクションを促進し、ネットワークとクリエーターの成長を相互に支援する魅力的な特徴を持っています。リワードを得るための条件としてフリーミントにする必要があるので、ZORAにアップされたアートはフリー(少量のガスが必要)が多く、コレクターも❤いいねをする感覚で気軽にアートを入手できます。Neo Tumblrなんて声もちらほら。私はこのシステムの好感度が高く、その結果、今年は自分の作品の大部分をZORAにアップロードしました。このプロトコルは、NFTエコシステムにおける創造性の重要性を再確認させてくれました。
ykxotkx
2023年の個人的なハイライトとして以下の三つをあげさせていただきます。
1. MoMA Postcard
MoMA PostcardはWeb3技術を活用した実験的なプロジェクトです。世界中の人々とアートを共同制作しながら、NFTとブロックチェーン技術について学ぶことが出来ます。光栄なことにその最初の作品であるFirst 15に参加する機会をいただき、錚々たるアーティストと共にポストカードを共同作成したことは、自分のアーティストとしてのスタイルを見つめ直すことに繋がりました。また、MoMAに関しては、Refik AnadolによるUnsupervisedがパーマネントコレクションに追加されたことも記憶に新しいと思います。MoMAのような著名な美術館がNFTアートに門戸を開く姿勢を見せていることは、Web3の分野で活躍するアーティストにとって勇気づけられる出来事だったと思います。
2. Bright Moments Tokyo
世界的に有名なNFTアートイベントの一つであるBright Momentsが東京で開催されました。私はJapanese Contemporary Collectionのアーティストの一人として作品を提供させていただきました。想像を超える熱量とクオリティのイベントで、世界中から多数のアーティストやコレクターが来場し交流しており、コミュニティの大きさを感じました。こういったイベントがもっと日本で開かれるようになると、日本におけるNFTアート(特にジェネラティブアート)の認知度がより高まっていくと思います。
3. Nishikigoi NFT
Nishikigoi NFTの3rd Saleにアーティストとして作品を提供させていただきました。NFTを用いた地方創生プロジェクトの草分け的存在であるプロジェクトに関わることができ光栄でした。Crypto x Localの未来が楽しみです。
でりおてんちょー
個人的に、2023年は特にオンチェーンゲームやAW (Autonomous Worlds) が萌芽した1年だったように感じていますが、そんな中でもコアでユニークなNFTプロジェクトもいくつか見受けられました。世界中の都市のメトロマップ(地下鉄の路線図)からインスピレーションを受けた、インタラクティブかつフルオンチェーンのNFTプロジェクト『the metro』や、Phiチームによって構築されたオンチェーン履歴に基づいてtraitsが決定されるNFTコレクション『Wawa』、また現在ローンチ前ですが、他のコントラクトを呼び出しながら相互作用を生み出し、新しいフルオンチェーンNFTを作ろうとする『Perpetual』など、どれもブロックチェーンを使った作品として非常に意義深いものばかりです。いわゆる「よくあるNFTコレクション」に飽きたという方や、もっとブロックチェーンを使うことの意味を見出したい方などは、ぜひこの機会にチェックしてみてはいかがでしょうか。