アーティストから神になったKanye West。物議を醸したミュージックビデオ「Famous」公開、そしてPabloポップアップストア、Saint Pabloツアー始動まで。

以前からKanye Westのアートの手法を意識したそのアウトプットはこれまでもずっと話題にのぼってきましたが、有名人たちの蝋人形を裸でベッドに並べ物議を醸したミュージックビデオ「Famous」の創作の手つきは、注目の集め方やメディアの反応まで含めて、これまででもっともファインアートの手法に近いと感じました。もちろん意識してやっているのでしょうけど。

この映像に対して、映画監督のヘルツォークまでもが作品に関する分析を寄せています。

「このビデオは分離したパラレルなストーリーを作りだす余地をあたえてくれる。それはドッペルゲンガーなのだろうか? 彼らの物語は何があり得るだろう? 彼らは何をやっているんだ? パーティーはどんな風だったのか? 何が彼らをそうさせたのか?」

インターネットがドッペルゲンガーを生み出す可能性について興味を抱いたそうで、意外でしたがその発言の内容はヘルツォークぽいなと思いました。

もちろん裸にされた当人は怒り心頭だそうで、訴訟なども噂されています。しかし本人にそっくりな人形を裸にして撮影した場合、肖像権などにひっかるのでしょうか? 法律のことはわかりませんが、かなりスリリングな問題提起になっている作品だと思います。

細かい話ですが、映像に登場する巨大なベッドはどうやらIKEAの制作だったようです。あらゆることに手を出しまくっているKanyeのポートフォリオのラインナップにとうとう家具までも加わってしまいました。

http://www.factmag.com/2016/08/02/ikea-responds-to-kanye-west-collaboration-request-offers-to-make-him-famous/

この曲が収録されているアルバム「The Life Of Pablo」は当初、音楽配信サービスTIDALのみで発表されていて、その過程が注目を浴びていたのも最近の話です。アルバムは完結することなく修正や楽曲が追加され続け、生きているアルバムなどと呼び表されました。そして先日、ついに29都市を回るSaint Pabloツアーが開始。神か何かのように彼が空からライブを行うという舞台演出も話題になっています。アーティストがステージの上で命綱に繋がれている光景は前代未聞だし、その姿はちょっと衝撃的です。

kanye west c/o donda ©2016

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ライブしづらそうだと思ったのは僕だけでしょうか。

それと同時に彼のPabloポップアップストアが世界中に出現。すでに21都市にて展開。2日程度という短い期間限定で店内の様子がKanyeのツイッターで配信されていますが、シンプルなフォントの使い方がかなりインパクトがあります。なぜ東京への出展がないのでしょうか?

http://www.kanyewest.com/temporarystores/

https://twitter.com/kanyewest/status/767390774602371072

https://twitter.com/kanyewest/status/767390535720067072

https://twitter.com/kanyewest/status/767389930200891393

https://twitter.com/kanyewest/status/767389662268821505

https://twitter.com/kanyewest/status/767389068414095360

https://twitter.com/kanyewest/status/767387732561760256

本人はかなり戦略的にやっているのでしょうが、何かやるたびにここまで話題になるというのはほんとにすごいというほかありません。