ネットに漂ういまだ名前の付いていない表現を集めたコンピ「very gois #02」。ナイスショップスーによるセルフレビュー

ネットに漂ういまだ名前の付いていない表現を紹介する、ナイスショップスー「very gois」の第二弾「very gois #02」が早くも再発。フォーマットはマイクロSD。親切にも、カードリーダー付きです。

今回のvery goisには音楽だけでなく、ちっちゃなメモリの中にムービーやPDFなども付いてきます。ナイスショップスーの独特のセンスは、音やビジュアル、映像の中にもバッチリ封入されていて、デジタルならではのZineが進化した新しいメディア表現のように感じました。

今回の参加者のライナップがとても気になってナイスショップスーさんに問い合わせてみたところ、セルフレビューを書いていただけることになりました。正体不明っぽいアーティストが多いなか、少しでも背景を感じられる情報はとても貴重。ぜひチェックしてみてくださいね。

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1. Live Set Preview – XYZ

デンマークのMads Lund Kolding とMathias Bredholtによるサウンドプロジェクト。サウンドクラウドに数年前からアップしていた一曲しか聞いたことなかったんですが、それがめちゃくちゃよくて声をかけてみたら、ちょうど連絡してすぐにデンマークの新レーベル〈Waa Industry〉からLPを発表。その後楽曲を提供していただいた直後にアカウントが消えたのですが、最近また復活したようです。以前にはBandcampでいろんな作品を公開していたそうで、以前からファンだというRin Yabaが過去作XYZ – Rotation ServiceをこっそりYouTubeにアップしてくれています。

2. floss (dr. dre is an idiot) – b o y m o o n

カリフォルニアの非営利ラジオ局KDVS Recordingsを母体に2011年に設立されたインターネットアートポッセ兼テープレーベル〈Brad Grammar〉のメンバーであるsriことArjun Ram SrivatsaとG.S. Sultan(Gorgeous Suntan)ことRoy Wernerによる音楽ユニット。
2012年・2013年に自身の運営するレーベルからアルバムをリリース後作品の発表がなかったのですが、今作のためにユーモア満載の未発表曲をご提供いただきました。

3. sink – H. TAKAHASHI

2015年から海外のカセットレーベルを中心に、美しい音の連なりで様々な感情を揺さぶる素晴らしいアンビエント作品を発表する日本人作曲家。やけのはら率いるアンビエントユニットUNKNOWN MEの一員。作曲家としてだけでなく最小限の機能のみを採用した無機質な建築作品のデザインする建築家としても活動していて、自身でデザインした自分の部屋が海外のデザインメディアdesignboomに掲載されるなど多方面で注目されています。現在は自身でデザインしたマイホームの建築を計画中だそうです。

4. yma0203 – yma

自身の声をベースに構成された生々しく奇妙な美しい音楽を制作する女性音楽家。どういう経緯で発見したか覚えてないんですが、数か月前にサウンドクラウドで彼女のアカウントを見つけたときはまだフォロワー10人くらいだった気がします。数曲提供していただいた楽曲がどれも素晴らしくて、今後彼女のソロアルバムをリリース予定です!

https://soundcloud.com/amy-yma-328257840

5. 2500 Spite House – Sean Seaton

アメリカ・ボルチモアの音楽家。今年〈DEEPWHITESOUND〉からリリースされたアルバムがすごくよくて声をかけました。おそらくDuncan Mooreが運営する本気なのか悪ふざけなのかすらよくわからない自由で刺激的なさまざまな表現を出版するARs周辺のアーティスト。適当にパソコン触ってるだけの全然ライブ感がないライブ映像SEAN SEATON @ The Crown 04.08.2016がかっこいい。

6. Field Scan – Matthew P. Hopkins

独創的で自由なミュージックコンクレート・即興エレクトロニクス・テクノなどのサウンド作品、絵画・ドローイング、造形、映像作品など過去10年間様々な形式で作品を発表し続けているオーストラリアの芸術家。収録曲は結構ダークな雰囲気なんですが、過去にはBELLY SPEAKER (excerpt)のような映像作品も発表されていて、めっちゃよくないですか笑。こういう作品も作る方の曲だっておもうと、より面白く聞こえてくると思います。

https://soundcloud.com/mphopkins

7. nakahechi – standard grey

奈良在住のカナダ人アーティスト兼美術評論家兼英会話教室の先生。彼のように日本で英語を教えて生計を立てながら自分の好きな創作を行う外国人ってたくさんいると思うし、こういう方たちと趣味を共有しながらたのしく英語を学べたら最高だなって思うので、定期的に英会話教室みたいなイベントを企画したいななんてことを計画中です。

8. minuet du – G.S. Sultan

Brad Grammarの一員で2曲目のb o y m o o nのメンバーでもあるRoy Wernerによる音楽プロジェクト。近年は〈Orange Milk Records〉、〈Umor Rex〉、〈NADA〉といったインターネットで注目されている音楽レーベルから作品を発表していて、今月には〈Phinery〉から初のLPをリリースとのこと。来年には日本ツアーを計画中だそうで、どうにか実現させたい!

9. 009 – xPhone tweeted hatena

YouTubeで発見したxPhone tweeted hatena – 005に感動して調べてみたらtoiret statusとしても知られるビートメーカーIsamu Yorichikaのプロジェクトでびっくり。現実の映像と環境音にデジタル音を融合したリアルとオンラインが絶妙に合わさる仮想空間的サウンド作品をYouTubeとインスタグラムを中心に発表しています。

https://www.instagram.com/x_t_h/

10. rib teacher – /f

正体不明の謎すぎる音楽レーベルPsalmus Diuersaeの中心人物?Perry Trollope (aka, Susan Balmar, Warm Thighs)による音楽プロジェクト。YouTubeで見つけたStuffed Pianoがすごくて、本人にこれはあなたですか?って聞いてみたらこういう雰囲気の大作を提供いただけました。ちなみに収録曲は、ぬいぐるみじゃなくて金属ボウルとピアノを使った演奏とのこと。

https://soundcloud.com/slashef

11. 0704 – network glass

既存の音楽を分解し大胆に無音を挟んで得体のしれない新しい音楽を制作するdie Reiheが運営する〈Bánh Mì Verlag〉から2014年にリリースされたカセット作以降気になっていたアメリカ・ボルチモアの実験音楽家。微生物がうごめいているかのような電子ノイズ、展開の読めない奇妙な構成、少ない音数だけど全然あきない不思議な音楽です。

12. Untitled track – Eric Frye

ミニマムな電子音をユニークに構成した独創的な音楽を制作するミネアポリスのアーテイスト。新旧問わず刺激的な実験音楽を紹介するラジオ番組Splice-Free Radioや、アーティストや思想家の音と文章による作品を発表するデジタル伝送空間Ptyxを設立するなど自身の作品以外にもさまざまな素晴らしい表現を紹介する姿勢も興味深い。収録曲は近々〈Sympathy Limited〉からリリースされる最新作に収録予定の楽曲です。

13. Cam Ranh – Christian Mirande

No IntentionことAllen Mozekが運営する独創的すぎる実験音楽レーベルVitrineから今年リリースされた生活音とデジタル・電子音が不思議に調和するThracian Summerが素晴らしかったアメリカ・ペンシルベニアの音楽家。雑音のような物音のような、普通に生活していて聞き覚えのあるような音がなぜか魅力的に聞こえる不思議な音楽作品を制作しています。最近同じくペンシルベニアを拠点に活動するSlow Tongued BeautyことRyan Scott Kerrと新たに〈Benthic Trawl〉という音楽レーベルを開始したそうです。

14. seaclet track – no artists

近くの銀行のATMの操作音が異様に大きくて妙な違和感を覚えていたので一般的な給料日の某月25日に録音した音源です。ありがとうございました。

URL : http://vg.pe.hu/02.html
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Very Gois #02 – ナ イ ス シ ョ ッ プ ス ー
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Very Gois #02 Track List 1. Live Set Preview – XYZ 2. floss (dr. dre is an idiot) – b o y m o o n 3. sink – H TAKAHASHI 4. yma0203 – yma 5. 2500 Spite House – Sean Seaton

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