By Yusuke Shono
さまざまな形を持った音の命が、次々と湧き出すように現れて全然、終わりがない。ときにリズミカルにグルーヴを刻み、ときにノイズのように聴覚を麻痺させる。想像できる限り多様な色彩を用いながら、あふれ出る想像の喜びを表現するかのように、形式にとらわれない抽象の世界でしか描けない、ユトートピアを綴り出していく。踊りを踊るように、飛躍する創造の跳躍。その喜びに満ちた豊穣は、動物のというよりも植物の世界に近い。生も死もカオティックな入り混じりの中ですべてが一体化し、その中に広がる世界を、ひときも休まず自らの生命で装飾し続ける。動きが作すアニメーションの、生き生きとした感触のような、原始的な原動力に触れて目がくらむような、どこまでも広がる音の細動に安心して包まれることができる楽曲集。