By Yusuke Shono
CVNがキュレーションを手掛け、CVNとEM Recordsの江村幸紀が選曲に携わった12インチ、CDでリリースされたコンピレーションアルバム。「いつか名付けられるかもしれない日本の2020s音楽シーンの<今>」を封入したというコンセプト文どおり、まさに今きわだった存在感をはなつミュージシャンたちの作品が詰まった音源集となっている。実験的なエレクトロミュージックから、ベースミュージック、ラップに至るまで、多様なジャンル渡り歩きながら、境界が溶解しつつある現代に、記号的な価値に変わるもっとフリーキーで新鮮な価値を描いてみせた。それは、ベッドルームという個人的な場所でなければ生み出し得なかった、フェティシズムとエネルギーに満ちた今のシーンに固有の感覚だろう。どんなときも時代の先端だけに存在する、血湧き肉躍る熱さと、カオティックな多様性。そして探求の果てにのみ出現するピュアネス。儚くも生命力に満ちた新鮮な感性をぜひ味わってほしい。