プラハの〈Genot Centre〉より、Dane Lawのアンビエント・ハウス作品「r.bit」を体感するフライトゲームが公開

アルゴリズムを用いた手法でエレクトロニック・ミュージックを制作してきたプロデューサーDane Lawの、アンビエント・ハウス作品がプラハのレーベル〈Genot Centre〉よりリリースされ、続いてアルバムの世界観に呼応したゲームがフリーDLで公開されました。

ゲームの世界観から感じられるのは、スピリチュアルな宇宙の探索、生命とテクノロジーの関係、古典的な「人工知能」といった90年代に流行したテーマ群。いまVRの登場で息を吹き返しつつありますが、それらは当時多くの人々が夢見ていたコンセプトにほかなりません。実は今回のプロジェクトは、実際に90年台に活躍したUKクラブミュージック界の重鎮であるWilliam Orbitの商業的なアンビエント・テクノからインスパイアされたものだそうです。

リバイバルをコンセプトにした作品とはいえ、現代的な感覚を通過したその音響は今も不思議と新鮮に響きます。クラブミュージック的な没入感と覚めたような感覚がレイヤーのように重なり、シンプルな構造の中にも奥行きを感じられる作品になっています。

楽曲があえてコンサバティブな世界を作り出している一方で、ゲームの重力のない新しい空間を作り出そうという態度は対照的です。ユーザーはこの惑星のシステムを模した上も下もなく、始まりも終わりもない箱庭的な環境を探索していかなくてはなりません。シフトキーを押すと前進(これがわからず、最初ちょっと苦戦しました)。最初は無音ですが、あることをすると「r.bit」の楽曲が次第に聴けるようになっていきます。

開発はReaper Death Seal Corporation。Mac、Windowsで動作可能。さらにOculus riftとも互換性があるとのこと。是非試してみてくださいね。

Dane Law, “r.bit”
https://genot.bandcamp.com/album/r-bit
Gameのダウンロードは以下。
http://genot.cz/rbitgame.htm