ぼんやりと光るネオン、夜空に伸びるサーチライト、無数に並んだビル群、糸を引くバイクのライト。大友克洋原作、1988年公開「AKIRA」の舞台として視覚化されたネオ東京の姿は、そんな東京の未来的なイメージを世界に知らしめました。原作の舞台は2019年、今の日本はAKIRAのような混沌とした世界にはなりそうもありませんが、西新宿や丸ノ内のビル群を見ると、そうした未来的な風景に似た部分も感じられます。
今回は、東京の都市の今を、レンズを通して未来の姿として写し出すフォトグラファーの「Liam Wong」を紹介したいと思います。
Liam Wongはカナダ在住で、Ubisoftでグラフィックデザインディレクターとして働くかたわら、アートディレクターや2Dアーティストやフォトグラファーとしてもマルチに活躍し、2015年9月頃からInstagram上にロンドン・パリ・ロサンゼルス・東京などの都市の写真を公開してAdobeやCanonなどの企業からもFacebook上で評価を受けています。
ポートフォリオサイト「夜の美」には夜景の写真のみがアップしてあり「I love capturing real moments and transforming them into the surreal.(私は現実の瞬間を捉え、超現実に変えることを愛しています)」と書かれている通り、東京の夜景をネオンカラーへと変化させ、薄明るい暗さを闇へと変えることによって、情報や人や物であふれ混沌とした「サイバーパンク」を表現し、新宿や渋谷の街中で見たことのある光景は、彼のフィルターによってAKIRAやBlade Runnerのようなイメージへと昇華されます。
新宿歌舞伎町
https://www.instagram.com/p/BGZH-P6sCSY/?taken-by=liamwon9
渋谷
https://www.instagram.com/p/BNE6LZ6Ang0/?taken-by=liamwon9
中野
https://www.instagram.com/p/BEfE04GMCc5/?taken-by=liamwon9
担々麺の名店「ほおずき」の看板「担々麺」の文字が、ヴェイパーウェーブを彷彿とさせる。
浅草
https://www.instagram.com/p/BNcGyWugkOu/?taken-by=liamwon9
神保町
https://www.instagram.com/p/BJ2tsGVjU0R/?taken-by=liamwon9
モノで溢れかえった新宿、渋谷の光景と比較して、浅草や神保町はサイバーパンク化した都市の片隅にあるノスタルジーを感じさせます。
彼のInstagramは定期的に更新されており、過去の作品も確認することができます。日本以外の国で撮影された写真もありますが、どうやらかなりの日本好きのよう。皆さんもぜひ覗いてみてくださいね。
Instagram: https://www.instagram.com/liamwon9/
ちなみにWebstoreでグッズ販売も行っており、個人的には新宿3丁目の写真のトートバッグがオススメです。
https://www.instagram.com/p/BGJ_thnMCZv/?taken-by=liamwon9
撮影場所はこちらのよう。
また、日本人写真家も未来を彷彿とさせる表現をしています。外側からの目線と中側からの目線の両方から日本とその未来を想像するとおもしろいですね。現在進行形の東京から見える未来を1枚の写真で表現する、そんな彼らをこれからもチェックしていきたいと思います。
Yuma Yamashita
https://www.instagram.com/p/BLLytEuhL1u/?taken-by=yuma1983&hl=ja
Takashi Yasui
https://www.instagram.com/p/BN6lnOZhE7j/?taken-by=_tuck4&hl=ja
(Text: 小松塚悠太)
Related Posts
- 「流れのパターン / Patterns of Flow」展について −川野洋の探究心を再び−
-
2023 NFT Scene Highlights (Part2)
Events and Works Surrounding NFTs: Timeline (365) -
2023 NFT Scene Highlights (Part 1)
NFTをめぐる出来事と作品、2023年のハイライト - 草野絵美が、Bright Momentsと共にAIアートコレクション「Techno-Animism」で世界ツアーを展開
- NYを拠点に活動する日本人アーティストKaryn Nakamuraが個展「noise pile」を開催。