By Yusuke Shono
イギリスを拠点に活動するサウンドデザイナー、オーディオビジュアルアーティストAkiko HarunaのデビューEP。張り詰めた緊張に響くビートのなかを、切り刻まれ歪んだヴォーカルがときにセンセーショナルに、ときに感情の抑制された言葉を刻んでいく。ミニマルな要素によって形作られていくその音響は、繊細に研ぎ澄まされており、派手さはないものの強固な軸を作り出している。静かだが確かな跳躍とその新鮮な驚きの積み重ねが生み出す空間性を持ったサウンドは、ダンサーとしてのバックグラウンドから生み出されているようにも思う。その寡黙なスタイルを持ったサウンドは、間違いなく脱構築されたダンスミュージックのはてに生み出されつつある今日的な感性の一つだろう。