ssaliva - God Room

ssalivaは、ベルギーを拠点に活動する音楽家のFrançois Boulangerによるソロプロジェクト。「God Room」は、セルフリリースによる作品だ。

まず目を引いたのが苺のジャケット。これまでの抽象的で無機質なアートワークとはまるで対照的でとても鮮やか。これまでの作品には、自身がアートワークを手がけたものもあるとのことだが、今回の苺のアートワークも彼が手がけたのだろうか。

鮮やかなアートワークの一方で、アルバムはこれまで通りの水気をたっぷり含んだ空間でじんわりと音を響かせている。グリッチノイズの旋律が響きわたるアンビエントな作品。グリッチノイズのザリザリした音が何層にも絡み、心地よい空間が広がる。
まるで、輪郭があいまいで憂いのあるモノクロの情景を断片的に見ているよう。情景がゆっくりと移りゆく中に、突如鮮やかな光が辺り一面を照らし出すものだから、不思議と神秘的な昂揚感が湧き上がり、そのままどこかへ昇華されていくよう。
特に、アルバムのタイトルでもある「God Room」は、瞑想中のような夢見心地のようなぼんやりした感覚に陥る。現実から一瞬、無意識に音楽に没入してしまいそうな作品。