By Yusuke Shono
ロンドンをベースに活動するアジアに焦点を当てたコレクティブ〈CHINABOT〉より、京都を拠点に置くミュージシャンSeaketaの作品。京都の地名とオノマトペのダブルミーニングになっているのと同じように、各トラック名も擬音語をモチーフにしている。それは、彼が経験を音に変換することに夢中になっていることと関連しているという。予測の難しいほど断片化され、加工されたその音の混合物は、もちろん心休まるものではないが、複雑に見えるその奥にはシンプルに原初的な快楽を刺激してくる感覚もある。見慣れぬ質感が作り出す不気味さとポップさ、時間によって変化していく複雑な模様、不定形なゆらぎとミニマルなリズムが作り出す没入を誘う酩酊まで、境界を問いながら音そのものが拡張する遊びを続けていく。