3月にスタートしたレーベル〈Local Visions〉。第1弾のコンピレーションアルバム『メガドライブ』での華やかな幕開けの次にLV-001としてリリースされたのは、コンピレーションの中でもひときわ清涼感のある“愛はタックス・フリー”を提供していたAOTQの「e-muzak」。柔らかいものでくるまれたような心地良いサウンドの浮遊感は、AOTQ自身が手がけているというアートワークのイメージそのまま。切れ目なく曲がどんどん流れてくるところが非常にBGM的ではあるけれども、そのとうとつな終わり方と次の曲までの間合いのなさはインターネットのプレイヤーで曲を視聴している時のようだと気づく。ただこのアルバムでは、その瞬間は自分でスキップボタンを押すよりも前にやってくる。