By Yusuke Shono
東京を拠点とするryu yoshizawaのプロジェクトkoeosaemeの新作。ニューヨークとボストンで行われた〈Orange Milk〉、〈Noumenal Loom〉、〈Squiggle Dot〉という夢のような組み合わせのショーケースへ出演も果たしたばかりで、今回のリリースはバルセロナのレーベル〈angoisse〉から。スペーシーな感触のあった前作から打って変わり、今作は削ぎ落とされた乾いた音響が印象的。箱庭のような繊細な美しさを保ちつつも、シェイプアップされた明朗さのある作品へと進化を遂げた。エレクトロニックな音色と具体音が渾然一体となって、混ざりながらもぶつかり合って強いコントラスト作り出している。異なる質感のテクスチャーが折り重ねられ、描かれるパターンの組み合わせはどこかフラットな感覚があり、これぞ今の音という感じの仕上がりになっている。