By hidetoiida
2018年10月神保町にある光明寺で行われた”お寺の音楽会 誰そ彼”では、スウェーデンのゴセンバーグ出身のジャズトリオNils Berg Cinemascopeがメインアクトだった。その前日に青森県でいくつかライブし、その内容は伝統的な三味線ホールでの三味線奏者とのコラボレーション、舞踏家と森の中でコラボレーションしていた。ここまではまあ珍しくはないジャズミュージシャンの活動ぶり。しかし彼らのスタイルが一味違うのは、それ過去のライブを映像に残し、次のライブで投影して過去の音と合わせて演奏するという点。楽器はドラム、サックス、フルート、シンセサイザー、ベース、コントラバス。映像の音と合わせれば単純にダブルベースやダブルドラムスになる。それでも彼らは、どのタイミングでどんな音が鳴るか把握しているため絶妙な音数で流れていく。またこのライブでは舞踏家の福士正一氏が参加しており、映像を投影したスクリーンを掻き分け背面から登場する。目にした光景から、音の響きに対しても虚と実を不思議と考えさせられた。バンド名に”Cinemascope”が入るのもこのライブで理解した。普段のライブでは撮り貯めた演奏映像を流し、その音に合わせて演奏するスタイル。世界中を旅しては各地域の民俗音楽を取り入れた彼らの音楽が楽しみだ。