ヴィジュアルアーティスト/グラフィックデザイナー Kai Yoshizawaによる初個展 「Post Matter」が開催される。
自然物のような人工物のような、中間的な感覚を切り拓くオブジェたち。その質量は平面の中で消え去り、表面にある曖昧な感触だけが見るものの想像の中で自由にゆらぎ、瞬く。そんな視覚表象の世界を作り出してきたKai Yoshizawaの作品は、ダイレクトでプリミティブな感触を持っている。瞬間を切り取ったかのような軽さと、匿名性を感じさせるその感覚は、オンライン以降の受容体験により生み出だれた現代的な感性と同時に、「書」や「グラフィティ」といったジャンルにも通じるような、視覚的に純粋な実験や遊びの要素も感じとれる。
今回の展示タイトルは「Post Matter」。そのタイトルには、わたしたちとモノとの間に生じつつある、新しい関係性が示唆されている。例えばそれは、はっきりと区分けされていたさまざまな現実界の境界、自然や人工といった区別、もっといえば音楽やファッションといったカテゴリーが作り出してきた領域性を無化するようなものかもしれない。カットアップコラージュのように、異なる感覚が相互に乗り入れていく。それは現実の配合の比率が生み出す新しい快楽である。
そんな彼による今回の展示はToiret Status によるエクスクルーシヴな音楽とともに発表される。音源はUSBジュエリーとして販売される予定。どんな展示になるか楽しみだ。
展示タイトル : 「Post Matter」
会期 : 2021年5月14日(金)- 5月30日(日)
営業時間 : 13:00-21:00
休廊日 : 月・火・水曜日
入場無料
Kai Yoshizawa
1992年生まれ。
東京を拠点とするヴィジュアルアーティスト / グラフィックデザイナー。「ポスト・インターネット」全盛期だった DIS Magazine 周辺のCG作品や海外媒体からの影響がきっかけとなり、CGの新しい視覚領域を探索する好奇心に駆られている。
HP / https://kaiyoshizawa.org/
Toiret Status
山口県在住。
2015年から作曲を開始。作品制作・発表を食事・消化・排泄・洗浄となぞらえ、「水に流す」ことをテーマとする。自身が鑑賞した映画や音楽、プレイしたゲーム、フィールドレコーディングした音声などを用いサンプリングミュージックの手法でビートメイキングを施す。
http://soundcloud.com/toiretstatus
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