パソコン音楽クラブ – DREAM WALKER
パソコン音楽クラブの音楽は不思議だといつも思う。1980~90年代の機材を鳴らして作られたそのサウンドには確かに懐かしい空気がある。それなら何か過去に似たものはあるかと探してみるけれど、ない。過去の記憶を持つ機材で作られた新しい音楽。そんな奇妙なパラドックスのようなものがノスタルジーと高揚感を生む。ほんとうにあったかどうかもよくわからない記憶、初めてきたはずなのになぜか懐かしい場所、聴いたことがあるようで聴いたことがない音楽……すべてをはっきりとさせる必要もないのかもしれない。あいまいなまま、すべてが夢の中のできごとように進んでいってもいいのだろう。たぶん。