By Yusuke Shono
Hikari Sakashitaによるドラム、Pueru Kimによるサックス、そして電子音響にKouhei Fukuzumiを迎えて、即興演奏したものを収めたという作品。穏やかなサックスの分厚い響きに、くぐもったドラムがうねりのあるリズムを穿つ。現れては消える電子音は、どこまでも他人事のように特異な存在感を放ち続ける。驚くほど絶妙な3者の組み合わせは、まるで3つで一つの楽器のように等価に、ゆっくりと波打つ瞑想的なサウンドを紡いでいく。そこには迷宮を漂うような、彷徨の感覚がある。どこにも行き着かないのに、どこまでも進んでいけるような、そんな心地よさ。暗く煙たいライブハウスで、生でぜひ聴いてみたい。浅草橋のツバメスタジオにて、同スタジオのオーナー、君島結によるエンジニアリングのもとで制作された。ちなみに、「Immersion II」はCDでのみで手に入る。