By Yusuke Shono
ふとした瞬間、自然に思いを馳せることがよくあるのだけど、そういう感覚って都会に生きている者のノスタルジーの一種なのだろうか。人工的なものも複雑度が高くなってくると、どことなく自然物のような感触を帯びてくる。音楽でも、シンプルな楽器の音よりも、作為のない音響のようなもののほうに惹かれる。Jobanshiが、音と戯れるように作り出したというこの作品は、そんな原始的な感覚を呼び覚ましてくれるドローン・アンビエント作品。流れる小川のように優しさに満ちた楽曲から、硬質な電子音が鳴り響く楽曲まで。一筆書きのようにシンプルに描かれた、温かみのある持続音が豊かに鳴り響く。頭を真っ白にして、その音のうねりに身を委ねたくなる全8曲。