By Yusuke Shono
MadeggやKazumichi Komatsuなどいくつかの名義で活動し、今年はナカコーことKoji Nakamuraの作品「Epitaph」にプロデューサーとして参加したことも話題になった。不穏な空気とともに荒れて硬質なテクスチャーが共鳴し合いながら、抑制されたリズムを刻んでいく「Deep Metal」から、一転してやわらかなメロディがアンビエント的なニュアンスを保ちながら反復していく「Wind」、敷き詰められたエレクトロニックな音響に鳥のさえずりのようなSEが交錯しながらくぐもったビートを紡ぎ出していく「Houseplant」など、バリエーション豊かな感触を持つスタイルの楽曲が展開していく。共鳴する音同士が作り出す質感と、あるいはその衝突がもたらす不協和音が複雑なリズムを刻み、相互に溶け出し位相をずらしながら、魅力的な陶芸作品のように豊かで複雑な形態を描き出す。