By Yusuke Shono
マンスリーでも取り上げたけれど、その後めでたく〈EM RECORDS〉からリリースされたtakaoによる作品。カテゴライズするとしたらもちろんアンビエント・ニューエイジということになるのだろうけど、室内楽的な作品にしてはその存在感はあまりに苛烈だ。アコースティックな響きに垣間見える柔らかい優しさに満ちたエレクトロニックなテクスチャー、その調和が幸福なユートピア像を浮かび上がらせる。レトロスペクティブともいえる不可侵の気分が支配する現代において、そんな時代性とは全く無関係に、叙情性やスピリチュアリティの代わりとなる今を示す。そこに接続するその先を示してくれた作品。