SUBURBAN MUSÏK - TAZUNA

並べられた小さな火が並ぶ厳かな儀式のような張り詰めた緊張のなかを、対称的な雰囲気を持った2人が作り出した轟音が響きわたる。その時代、その場所でしか聴くことのできない、紛れもないアンダーグラウンドの音楽。そこには、全てを包み込むような暖かさを持った暴力と、優しく繊細な凶暴さがあった。閉鎖された酒の匂いと埃に満ちた空間の、世界とはパラレルに存在する静止した時間の中でしか見つけることの出来ない、その次にやってくる世界。いつも目撃者は数少ない。バカバカしいことを喋りながら、ときどき去っていった人々のことを思いながら、その強すぎる光のような振動の眩しさの中でつかの間の安らぎを得る。それよりほかに重要なものなどあるだろうか。