By Yusuke Shono
2000年初頭の大阪のアンダーグラウンドシーンの空気とも連動する唯一無二の作品を作り出してきたALTZの久々のリリースである「La tone」は、色褪せることのない爽やかな驚きを感じられる快作だ。真っ黒なビートはいつもどおりファニーな面持ちを持ち、その優しさに溢れた個性を響かせている。ストイックでミニマルでありながら、いつでも奔放な自由さを宿したビート。弾け出したい心を抑えるかのように、抑えられたそのリズムの中にあるストイシズムは逆に情熱的ともいえる。その熱気は、鮮やかに身体性と結びついて、聴くものの心をその原始の炎で焼き焦がす。フルバンドとなったその演奏は、楽器と楽器は有機的に結合し合い、鮮烈なその色彩を眼の前に大きく広げていく。よりスケール感を増したその世界観で、ここではない世界へと接続するユートピアを出現させる。