By Yusuke Shono
K404とのユニットTRAKS BOYSやDK SoundのレジデントDJとしても知られる長野在住のXTALによる、ソロ2作目。きらびやかな多幸感に満ちた4年前にリリースされた前作とは大きく変化し、ビートのない、よりエクスペリメンタルで抽象性な風景が広がる。鳴り響くビートとともに非日常の時間と空間を横断していくのが前作だとしたら、本作にはもっと日常に近い、パーソナルな感覚が綴られているように思う。くぐもった少し丸みを帯びた質感のサウンドはどこか懐かしいような空気感を孕み、アブストラクトでほどよいランダムネスを含んだ展開は、純粋に展開していく遊びの世界をただ眺めているよう。鳴り響く音の連なりが導く叙情性と、微細な感覚が花開いた鮮やかな感覚が宿った作品。