ゴダール映画のカットアップのように、さまざまな音が次々に飛び出してくる。ポップで、美しくて、少し恐ろしい。その一見めちゃくちゃに思える音の洪水が新鮮な刺激を生み、それが心地良さに変わる。そして、私たちの日常もこんなふうなのかもしれないとふと気づく。キラキラとした時間もあれば、おどろおどろしい感情が渦巻くときもある(外には出さなくても)。ぼんやりと安らかな気持ちになる時間もあるだろう。自分の目線の外側に出て、そこからそんな日常を見たら、きれいに編集された映画とは違って、起こるできごとには脈略がなく、バラバラで、混沌としているに違いない。そういう日々を私たちは生き抜いている。それだけでもほめられるに値すると思ってもいいのかもしれない……と、内緒話のようなささやきに耳をくすぐられながら思う。「こんにちは。あなたは僕にとって100パーセントの女の子なんですよ」(C)