George Clanton – Slide

チルウェイヴ時代のMirror Kissesから、Vaporwaveシーンにさっそうと現れ旋風を巻き起こしたESPRIT空想が、いよいよ本名名義George Clantonへと帰還。100%Electronicaから、3年以上の期間をかけて作り上げたという新しいアルバムである。綺羅びやかでノスタルジックなサウンドが飛翔しながら、常に視点を移動しながら心地よく歪んだ音像を結び続ける。新鮮でありながら、どこか懐かしい。鮮やかにポップに、わたしたちのこの倒錯した欲求を掻き立てる。この泡のようなはかなく消えそうな過去の残滓が作り出した幻影は、荒廃とユートピアというわたしたちの心が向かうべき未来の二面性を暗示してはいないだろうか。