たまにはゲームの話題でも。H・R・ギーガーのあの狂った世界観をまるっと再現してKickstarterで資金調達が失敗するも、あらたに資本を調達して開発に入っているというFPS「Scorn」。その再現度が本気過ぎて、プレイするのを躊躇してしまいそうなくらいです。2017年にプラットフォームはPCで発売されるようです。
プレイする自分自身が宇宙人という設定で、登場するキャラクターもものすごく異質なのですが、特に生き物のような兵器がとても気持ちがわるいです。昆虫とかの世界もそうですが、自分の属している世界の体系とあまりに異なるデザインに出会ったとき、わたしたちは気持ちのわるさを感じるのでしょうか。その感覚は、軽いものでいうと外国語に接した時のような疎外感や馴染みのなさ、もうすこし強いものだと未知のものに感じる危機意識のようなものなのかもしれません。
アートも音楽も同じだと思うのですが、あたらしい表現を目の前にしたとき、前頭葉ではなくてもうすこし原始的な脳の部分が反応している感じがするんですよね。おそらくそれは、生きものとして引き起こされている生理的な反応なのでしょう。けれども違和感のあるものや、一見気持ち悪いと感じるものが、馴染みのある感覚に転換されるその瞬間、最も大きな快楽が生み出される気がします。そういう感覚は常に新しい表現を知りたいという、好奇心のある方なら分かる感覚じゃないでしょうか。まあ、世の中には全然そうじゃない人の方が多い気もしますが…。
Related Posts
- 「流れのパターン / Patterns of Flow」展について −川野洋の探究心を再び−
-
2023 NFT Scene Highlights (Part2)
Events and Works Surrounding NFTs: Timeline (365) -
2023 NFT Scene Highlights (Part 1)
NFTをめぐる出来事と作品、2023年のハイライト - 草野絵美が、Bright Momentsと共にAIアートコレクション「Techno-Animism」で世界ツアーを展開
- NYを拠点に活動する日本人アーティストKaryn Nakamuraが個展「noise pile」を開催。