Siddiqをフィーチャーした新しいアルバムの発売が8月1日に控えているVektroidですが、bandcampが彼女にインタビューを敢行したようです。VektroidはMacintosh Plus、New Dreams Ltd、PrismCorp Virtual Enterprises、Laserdisc Visions、dstnt、情報デスクVIRTUALなどといったさまざまな名義を使い分け、Vaporwaveの初期のシーンの盛り上がりを作り出した立役者。レトロスペクティブな世界観に資本主義が作り出した夢の残骸をかき混ぜたようなその音楽性はBGMにも最適でありながら、音楽自体をもどこか笑い飛ばしているかのような皮肉の要素を含んでいました。Vaporwaveはインターネットの集合無意識が産み出したひとつの大きな冗談のようなものであり、それ自体が音楽批評であるというメタ的な構造をもったジャンルだったと思います。それは地域性を超えて、オンラインアンダーグラウンドの運動を次の次元に導きました。ほとんど公の場に出たことのないだけに、彼女のインタビューは貴重なのですが、あまり彼女の発言が引用されていなかったのが残念でした。まあオリジネーターの存在は神秘的なままの方がよいのかもしれませんね。
作品の背後にある思想哲学的なテーマは、他人が入ることのできない私の脳内の個人的な検疫ゾーンのような所から来ているんです。——Ramona Andra Xavier
https://daily.bandcamp.com/2016/06/21/vektroid-interview/
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