3月10日発売のデザイン誌『アイデア』の特集「ポスト・インディペンデント・マガジン 雑誌づくりの現在形」にて、雑誌内雑誌企画に参加しました。MASSAGEキュレーションにより、紙上展示 “Therapy”を開催。アーティストFukinくんを迎えての、4ページにわたるイメージを構成しました。アイデアという雑誌の一部を間借りさせてもらえるということだったので、紙面をレンタルスペースとして捉え、勝手に展示を構成してしまおうというアイデアです。と、いうようなことをFukinくんに伝えて出来上がってきたのは、想像もしていなかった方向性の作品でした。
実際のイメージは雑誌を手に取っていただくとして、それをもとにオリジナルの動画(!)をつくってもらうことができたので、こちらに掲載しておきます。今回はデザイン誌での企画ということで、きっとその文脈から見てくれる人が多いのかなと思います。そういった人たちが、どういった感想を持つのか気になるところです。
デザインとかアートとか、そういった文脈以前のもっと取るに足りない感覚、ふとしたときに気づくような、多分次の瞬間にはもう忘れ去ってしまうような、そんな感覚は誰にでもあると思います。日常を生きていると、そういった感覚の突起物のようなものは、なだらかに消えてしまう。そういう非言語的な現象を増幅して、平面でも、立体でも、拡大して標本のように見つけやすくしてくれている。Fukinくんのような、名状しがたい作品についての面白さを言葉にするなら、そういう感じになるのかもしれません。ぜひ、この機会に実物を手に取って見てもらえたら嬉しいです。
『アイデア No.373』誠文堂新光社
国内外の18の雑誌が、4ページを自由に制作、合綴。主張も動機もそれぞれ違うマガジンには、インターネットとは異なるコミュニケーションを志向する姿勢の同時代性がある。カスタムTシャツやオリジナルモバイルケースをつくるように画像をアップロードするだけでZINEをつくることも可能な時代。資金を集め、写真や原稿を依頼し、デザインをして、自ら雑誌を創刊する行為は、それ自体が特別な主張である。
http://www.idea-mag.com/idea_magazine/373/