Shyqaはロシアのプロデューサー。「HOLLOW」は、Tavi Lee が運用する上海のレーベル〈Genome 6.66 Mbp〉よりリリースされた。「Anxiety」ではスイスのグライムプロデューサーであるShayuをフィーチャーしている。
音はとてもシンプル。少ない音数ながらドローンでアンビエントな作品。全体的に暗い表情の作品だ。シンプルな音たちが一瞬重なっては違う音に変わり、時には耳に劈くような電子音や破壊音とも重なりながら感情の波を描き、魂を探し求める。
アルバムを通して、人の内生的な感情(混乱、不安など)を表現しているせいか、ずっと暗いのだが、曲を追うごとに感情の変化が見て取れる。「Mess」では破壊、絶望のような破壊音と暗さがつきまとうが、「Liar」が幸せの最高潮なのだろう。破壊音の中に明るい道筋が見える。その後の「Anxiety」ではまた憂いのある表情を見せる。そして憂いを帯びた雰囲気の中作品は終わっていく。しかし、聴き終えた後には悲しみはなくなっていてどこか明るい。