Masahiro TakahashiとEunice Lukが運営するSlow Editionsより、「何もしたくない時に聴く音楽」をコンセプトに6人のアーティストの楽曲を収録したコンピレーション作品。夕方の犬(u ・ェ・)、H. TAKAHASHI、Hegira Moya、Takao、 Endurance、Lieven Martensといった国内外の音楽家が参加し、それぞれの異なった発想を巡らした楽曲たちを楽しむことができる。 消費文明とインターネットという産物の普及は人々を常に稼働へと駆り立てたが、生活の余白のようなものはいつでも現実で不意に訪れる。その時間はなんだがもどかしくて、そわそわするが、漠然と満たされていて窮屈な感じはしない。「何もしたくない」は、身体の片隅にインプットされた人間営為の残骸でもあり、音楽はそういう、よく分からない身体感覚をよく分からないなりに体現するものとして存在する一面があるのかもしれない。もちろん各楽曲自体も素晴らしいが、なにより作業用BGMみたいな効用音楽が横溢している今、「何もしたくない」状態に自身の想いを馳せながら聴きたい作品。