2018年の1月1日にリリースされた作品だが、最後の曲を除いて2013年に作られたもの。5年も前となると随分前に感じるが、まったく古びてはいない。どこか遠い世界に迷い込んだような寂しさと情緒、感情の奥をくすぐられるような儚さと奇妙さを持つメロディがい響きわたり、ゆっくりとくぐもった視界の先に抽象的なビートが姿が現しては消える。内省的といってもよい繊細な作りをしているけれど、もうすでに揺るがない世界観を獲得している。ラテンアメリカ文学のような幻想性を持つ印象的な作品。