By Yusuke Shono
いくつかのリリースを積み重ね、変貌を遂げながら進化しつつあるアーティスト/プロデューサー玉名ラーメン。そんな彼女の想像力を刺激する新作EP。神秘的なアトモスフィアをまとった歌声が響く「angels garden」、けだるい歌声と反復するビートが宇宙的世界を描く「planet」、切り取られた日本語詩がどこか切ないエモーションを響かせる「rasca」など、全体を通してダンスミュージックの影響を感じさせるフューチャリスティックな楽曲が続く。どのトラックも独特のメランコリックな空気感が覆い、そのささやくように響く透明な歌声にはどこか神秘的な感覚が宿っている。暗闇に指す一筋の光を追いかけるようなかすかな響きを手がかりに、どこでもない世界の輪郭を浮かび上がらせる。