By Yusuke Shono
〈PYRAMIDS〉レーベルからリリースされた、Japanese Ghostsシリーズの3作目。日本という風土が持つ霊性を音により具体化するこの連作は、伝統が未来的なヴィジョンをも形作れることを証明した。ゴーストとは幽霊でもあり、存在しない何者かの痕跡を捉えるための言葉でもある。存在と存在の間にあるその非存在は、音が作り出す響きのように豊かな色彩を持つ。あらゆるものが生命のような固有の響きを持つとしたら? 不安以上に、そんな楽しみに満ちた世界はほかにはない。不確定性原理のようなパラドキシカルなその曖昧さは、オンライン以降を生きるわたしたちのリアルにこそふさわしいだろう。