アーティストから神になったKanye West。物議を醸したミュージックビデオ「Famous」公開、そしてPabloポップアップストア、Saint Pabloツアー始動まで。

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以前からKanye Westのアートの手法を意識したそのアウトプットはこれまでもずっと話題にのぼってきましたが、有名人たちの蝋人形を裸でベッドに並べ物議を醸したミュージックビデオ「Famous」の創作の手つきは、注目の集め方やメディアの反応まで含めて、これまででもっともファインアートの手法に近いと感じました。もちろん意識してやっているのでしょうけど。

この映像に対して、映画監督のヘルツォークまでもが作品に関する分析を寄せています。

「このビデオは分離したパラレルなストーリーを作りだす余地をあたえてくれる。それはドッペルゲンガーなのだろうか? 彼らの物語は何があり得るだろう? 彼らは何をやっているんだ? パーティーはどんな風だったのか? 何が彼らをそうさせたのか?」

インターネットがドッペルゲンガーを生み出す可能性について興味を抱いたそうで、意外でしたがその発言の内容はヘルツォークぽいなと思いました。

もちろん裸にされた当人は怒り心頭だそうで、訴訟なども噂されています。しかし本人にそっくりな人形を裸にして撮影した場合、肖像権などにひっかるのでしょうか? 法律のことはわかりませんが、かなりスリリングな問題提起になっている作品だと思います。

細かい話ですが、映像に登場する巨大なベッドはどうやらIKEAの制作だったようです。あらゆることに手を出しまくっているKanyeのポートフォリオのラインナップにとうとう家具までも加わってしまいました。

http://www.factmag.com/2016/08/02/ikea-responds-to-kanye-west-collaboration-request-offers-to-make-him-famous/

この曲が収録されているアルバム「The Life Of Pablo」は当初、音楽配信サービスTIDALのみで発表されていて、その過程が注目を浴びていたのも最近の話です。アルバムは完結することなく修正や楽曲が追加され続け、生きているアルバムなどと呼び表されました。そして先日、ついに29都市を回るSaint Pabloツアーが開始。神か何かのように彼が空からライブを行うという舞台演出も話題になっています。アーティストがステージの上で命綱に繋がれている光景は前代未聞だし、その姿はちょっと衝撃的です。

kanye west c/o donda ©2016

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ライブしづらそうだと思ったのは僕だけでしょうか。

それと同時に彼のPabloポップアップストアが世界中に出現。すでに21都市にて展開。2日程度という短い期間限定で店内の様子がKanyeのツイッターで配信されていますが、シンプルなフォントの使い方がかなりインパクトがあります。なぜ東京への出展がないのでしょうか?

http://www.kanyewest.com/temporarystores/

https://twitter.com/kanyewest/status/767390774602371072

https://twitter.com/kanyewest/status/767390535720067072

https://twitter.com/kanyewest/status/767389930200891393

https://twitter.com/kanyewest/status/767389662268821505

https://twitter.com/kanyewest/status/767389068414095360

https://twitter.com/kanyewest/status/767387732561760256

本人はかなり戦略的にやっているのでしょうが、何かやるたびにここまで話題になるというのはほんとにすごいというほかありません。

DIS Magazineキュレーションによるベルリン・ビエンナーレの楽しみ方。あるいはオンライン・ラディカリズムの実空間への移植は成功したか①

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DIS Magazineといえば、言わずと知れたニューヨークをベースに活動するオンラインメディア。そのメンバーはLauren Boyle、Solomon Chase、Marco Roso、David Toroの4名で、そのほかにもゲストとして多くの批評家やキュレーター、写真家、アートディレクターが記事や作品を提供。ポストインターネットのみならず、オンラインの文化をとりまくさまざま事象や実践に多角的な視点から焦点を当て、良質で膨大な量のコンテンツにより独自の文化圏を作り出してきました。

DIS Magazineの活動は拡張し続けており、さまざまなアーティストが作り出したイメージをストックフォトとして提供する「DISimages」や、アートブロジェクトとして商品を作り出す実験「DISown」など、いろいろな形でメディア以外のプロジェクトも公開してきました。単に情報を伝えるだけではなく、オンライン上で行い得るありとあらゆる実験や実践を発表し、その計り知れない影響力は世界中に伝播し続けています。

その進化し続けているDIS Magazineが次のベルリン・ビエンナーレのキュレーターを務めると聞いたときには、とても驚きました。選考委員会は2014年8月に、DIS Magazineを第9回ベルリン・ビエンナーレのキュレーションチームとして推薦することを、全会一致で決めたといいます。若く新しいアートの潮流を紹介してきたベルリン・ビエンナーレが、彼らを選んだという事実は理解出来る一方、「コンテンポラリーアート」という枠組みにはたして彼らがマッチするのか未知数の部分もあったからです。もちろんそうした懸念は承知の上だったでしょうから、こうしたリスクを選んだという事実自体が、ベルリン・ビエンナーレの提案ということに違いありません。

DIS Magazineがこれまで提案してきてきたオンライン上のラディカルな実践と実験が、はたしてどのように実空間へと移植されているのでしょうか。そしてまた彼らの今現在の関心やテーマは、どのような時間と空間にあるのでしょうか。それらについて実際に触れて確かめたい、そう思って筆者はベルリンへと飛ぶことにしたのです。

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扮装した現在

さて、実はベルリンで展示を見ながらいろいろなことを考えていると、どうやら次号となるMASSAGE11のテーマが生まれてきたのではないかという気がしてきたのです。彼らが考えていることについて、今ここで、しかもまとまった形で、どうしても掘り下げておく必要があると思ったからです。

だから展示の具体的な紹介に行く前に、先に彼らが提案しているテーマについて語っておかなくてはなりません。けれどもこれがすこしやっかいなのです。だから本原稿はそこに焦点を絞ってみたいと思います。彼らが掲げたテーマは次のようなものでした。

「The Present in Drag」

Dragは扮装を意味するので、このコピーは「扮装した現在」というような意味になります。展示のテーマにしては、すこし意味がわかりにくいですね。彼らはカタログに掲載されている宣言文でこのように語るところから始めます。

テーマとして、「現在」はちょっと絶望的な響きがある。ものすごい二日酔いをなんとか吹き飛ばそうとする、スピニングのインストラクターみたいだ。展覧会はますますTEDトークのような、自信満々劇場になりつつある。パニック映画やホラー映画とさほど変わらない快楽原則がここでは働いている。逆に会場のスピーカーで増幅される「ビッグデータ」、「フィルターバブル」、「ポスト・インターネット」「人類世」とといったフレーズを聞くと、人々は怯えて自分のトートバッグをよりしっかりと握りしめる。

ようこそ、ポスト現代へ。もはや未来は、おなじみの、予測可能な、不変な、過去のように思えるものの、現在は不確実な将来と共に取り残されている。ドナルド・トランプは大統領になるだろうか?小麦は有毒か?イラクは国だろうか?フランスは民主主義?シャキーラが好き?うつ病を患っている?
わたしたちは戦時下にいる?

現在こそが、未知で、予測不可能で、了解不可能な世界なのだ。現在は、いくつものフィクションが繰り返し語られることにより捏造されている。今日の世界に、リアルなものなんて何もない。フィクションに投資するほうが、現実に賭けるよりもお得だ。つまりSFからファンタジーへとジャンルを移行する現実こそが、刺激的で、オープンで、誰もが参加できる非二進法的な世界を作る。私たちが動員した、スーパーグループのようなアーティストやコラボレーターたちは、この不確実性によって疲弊するのではなく、むしろ活性化されている。このような現状からは誰もがオルタナティブな現在を構築し、失墜した物語を再構成し、絶え間ない流れから意味を解読することができる。

彼らはここで「SFからファンタジーへとジャンルを移行する現実」を支持すると述べています。これは「未来」ではなく「現在」に、価値を賭け変えることを意味しています。この時間に関する見方こそ、今回のキュレーションの肝なのです。私たちが生きる「現在」は、それ自体フィクションにほかならない。これこそ彼らが言うところの「扮装(in Drag)」した「現在(Present)」というテーマの意味するものであると思います。

彼らの視点が面白いのは、現実を批判するでもなく、暴くのでもなく、その姿を生のまま肯定しようとしている部分です。まるで青春を謳歌するかのように、彼らは自分たちの文化を強力な力で出現させようとしているように見えます。この虚構の創出力こそ、彼らが言うところのファンタジーの力なのかもしれません。その力は芸術のみならず、この資本主義の根底にも同じように備わっています。ときにはそれは想像力を飛翔させもしますし、またときには必要のない商品を購入させたりもします。けれども力そのものは善でも、悪でもありません。

ただこのようなあたりまえの現在の姿が、どのように「コンテンポラリーアート」と呼ばれる枠組みに位置付けられるか、実のところ自分にはまったくわかりません。

しかしながら彼らが行おうとしている、この謎めいた提起について応答する必要があると私は考えています。いまここに生きる者として、このパラドキシカルな現在について、私たちは一度語っておかねばならないのです。「現在」という現実と、その虚構としての力についてを。

さて、次回はベルリンという町に繰り広げられた展示のアウトラインについて書いてみたいと思っています。

Dirt on Tape Vol.07

カセットテープコレクターDirty Dirtがマンスリーでお送りする、連載第七回。
今回はLAのインダストリアル、ノイズ、EBMなどをリリースするカセットレーベル〈Nostilevo〉について。

Dirty Dirt /
Dirty Dirt / Text: Dirty Dirt, Title Logo: ancco

8月のあいだカセットテープをつかってDJをさせていただく機会が毎週ありまして、ちょうど〈Awesome Tapes From Africa〉のBrian Shimkovitzも来日していたので、カセットテープのDJのことをすこし。

Brian Shimkovitzは2本再生できるデッキを用意してきて、発掘音源をつなげてゆくっていうスタイルで、現場へはゆけなかったんですが、これまでのBoiler Roomなどの動画をみて、うまくつなげられるのが奇跡的で驚かされます。頭出しもその場でやってるようにみえますし。

こちらはどうやっているかといいますと、ラジカセとポータブルプレイヤーをイヤフォンジャックから赤白のライン入力。あとはあらかじめかけたいカセットテープを頭出ししていってます。カセットMTRなどがあればもっと複雑なこともできるとおもうんですが、レコードをつなぐ感覚で、カセットをつないでゆきます。テープによって音圧やヒスノイズなど個体差がかなりありますし、その音を流す環境にもよるとはおもいますが、おもいのほかしっかりと音がなります。ただし、ポータブルプレイヤーの場合は、テープを巻き込んだり、音圧のこともありますので、ラジカセ推奨ですが。カセットテープを買ってらっしゃる方はぜひいちどDJに取り入れてみてはいかがでしょうか。

今月は〈Nostilevo〉のことを紹介したいとおもいます。

2011年にデトロイトで発足、現在はLAへ移ったインダストリアル、ノイズ、EBMをおもにリリースするレーベルです。ノイズのレーベルといったらふだんきかれない方にはとっつきにくいかんじがあるとおもいます。そしてノイズは現行のカセットが盛り上がる盛り上がらない関係なくずっとリリースされてきていました。でも、ここは現行のレーベルという意味で特別なところだとおもいます。

パワーエレクトロニクス、ノイズのL.F.A.ことKhristopher Reinshagenが主宰で本人のリリースからはじまりましたが、ここのレーベルといえばやはりSiobhanことTravis Gallowayです。テープが腐食してしまったかのようながびがびとしたノイズが重なるとんでもなくローファイな録音のなか、すかすかなダンスビートが不気味な陽気さをともなってつきすすみ、そのあいまに垂れ流されるこれまたがびがびな本人の声が呪いのようで。別名儀のTraagでは〈Opal Tapes〉のはやい時期からリリースされ、のちにここからSiobhan名義でもレコードをリリース、Jカードの印刷が現行カセット界隈でいちばんうつくしい〈Goaty Tapes〉や、最近ではほぼ毎月くらいなリリースを重ねる〈German Army〉とともにUS、UKに限らずデンマークの〈Speaker Footage〉などさまざまな国やレーベルからリリースされるようになり、地下インダストリアルのヒーローを作り上げました。

ほかにも映像や鏡をつかったインスタレーションなどで活躍するPod Blotz、Body Of Lightの片割れによるダブテクノBlue Krishna、がびがびノイズレイブのXakatagawaなどもリリースし、Destraction UnitのJ.S. Aureliusソロ別名儀Pleasure KorpsもはやくにリリースするなどブルックリンやLAのほかのレーベルともつながりながらも、絶妙な距離感を保ちローファイな姿勢を崩すことなく、黒い美学を貫きとおしています。

Jカードの印刷も音にあわせてがびがびな粗い印刷で、ときおりさわっていると手にインクがついて黒くなるくらいの粗さなんですが、そういうあたりも音をあらわしていてよいですし、12面パネル(折り返している面の数)だったりとつくりもかっこいいです。

ノイズときいてハードルが高いとおもわれるかたも、カセットできいてこそなローファイな質感をたのしめるとおもいますので、ぜひカセットを手にとって、耳も手も黒くがびがびになってみてはいかがでしょうか。

https://nostilevo.bandcamp.com/

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7月に買ってよかったもの、いくつか。

3月にレーベルへ直接注文したのにまったく送ってこないんで、どうなってますか? とメールしてみたら、ちゃんと送るよと返事をいただいて、そこからももはや2ヶ月たってしまい。日本のお店で売られてるのをみて、あきらめて買いました。こういうのって、あきらめて買ったらその翌日届いた、っていうオチがあるもんなんですが、いまだに届きません。

Dirty Beachesがはじめて来日したときにシンセ担当で帯同していたモントリオールのBernardino Femminielli。ことしになってから〈Total Black〉からもリリースしていたり、〈Mind Records〉からレコードもだしていたり(これも届かない)とソロでの活動が活発になってきました。

2月の〈Total Black〉からのカセットはバロックなシンセもので、彼の趣味全開な雰囲気でしたが、その分今作はさらに振り切れてました。コズミックなシンセと怪しいささやきフランス語ヴォーカルはこれまで通り、そこに暴走するノイズをはらんだビートがすさまじいし、Jカードの紙質もよいし、ちゃんと送ってくれさえすれば最高なレーベルです。

Bernardino Femminielli “L’ENFER ET SES FILS” (Mind Records)

うえのFemminielliとおなじくカナダのモントリオール出身のPhoebe Guillemot新作。これまで〈Total Stasis〉や〈1080p〉からとよいレーベルからのリリースがつづき、新作は〈RVNG〉からと躍進しています。

密林をおもわせるエキゾティックなシンセが飛び交うなか、パーカッションのビートに、自らの声やサンプリングした声をダブ処理して重ねていて。こういう音ってけっこうありそうなんですが、飛び交うシンセにちょっとゆるめのビートがどの作品も彼女独特な間と音の質で。初期はもうすこしビートが強めだったんですが、今作はそのビートもゆったりめ、南国アンビエント感が増していて、夏にとてもあいます。これも直接注文したものが届かなかったので、日本のお店で売られていたものを買いましたが……。

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Ramzi “For Haku” (RVNG)
https://rvng.bandcamp.com/album/for-haku

MASSAGEでもとりあげられていたオーストラリア? のレーベルからデジタルで発表されていたものがカセットテープ化。レーベルの方からロシア語でこちらのTwitterにコメントがついたりと、ほんとはどこのひと? なかんじがおおいのも謎でたのしい。

カセットのレーベルは、メーリングリストに登録しておいてそのお知らせを受け取らないと注文できないとか、秘匿性の強いところもあったりと、そういう謎がおおいところほど追っていてたのしかったりします。

エコグライム、っていうことばどおり、ニューエイジなアンビエントにグライムなビートが攻撃的にのっかってきます。どれも短めな曲なんですが、立体的な自然空間を切り裂くビートがかっこいいです。カセットテープにはリミックスが収録、とおもいきやデータがダウンロードできるだけでA、B面ともにオリジナルの音源が収録されていました。日本のDJWWWWやCVNもここのレーベルと絡んでいたりしますし、これからもたのしみです。

HERBARIUM “DIVINE HERBA” (Eco Futurism Corp. / Genot Centre)

直筆ジャケットでレコードを20枚限定でリリースしたり、DJ NJ Droneなどおなじくブルックリンの〈Bootleg Tapes〉と近い人たちをリリースPurple Tape PedigreeがはじめたカセットZINEシリーズ “CELL” の1本目。A面にその号の音楽を。B面は音楽ではなくそのときのテーマにあわせた声のコラージュという構成がおもしろいです。

今号はBaby Blue。Chino Amobiなどと同系列なゲームサンプリング音に、アンビエント、唐突で攻撃的なビートがつなぎ合わさっていて。カセットや映像で活躍するJónó Mí Lóも1曲参加しています。

正直なところ、英語が堪能ではないわたしにはB面をまともにきけるかっていうとしんどいですけれど、購入時にレーベル主催者によるスムージーのレシピがPDFでダウンロードできたりと、カセットではなくレコードのほうで注目をあびはじめているここがカセットテープでもおもしろいことをやってきていて、これからも注目です。

“CELL, Issue 01: Baby Blue – Void Gate / CELL 01 (Audio Codex) ” (Purple Tape Pedigree)

Blood RoomとのユニットIXTAB、Best Available TechnologyとのユニットBOAでも活動するGary Geilerのソロ新作はアイルランドの〈Fort Evil Fruit〉から。いま最もおもしろいレーベルのひとつ〈Seagrave〉からもリリースがあるので、乾いた立体的な質感のビートがミニマルに反復、空間をうめてゆくシンセドローンの重なりに、所々に浮び上がってくるかさかさとした物音に、かなりローファイにくぐもった音質のミニマルな曲にと、これまでのかろうじてテクノなかんじをこえて、かなりエクスペリメンタルな方向へすすんでいます。同時リリースに日本のTAKAHIRO MUKAIのなまえもあったりとUKのあたらしいところによりエクスペリメンタルな濃さを足したような人選がすばらしいレーベルです。

Ovis Aurum “Nocturnal Pools” (Fort Evil Fruit)

夏本番、というわけでレーベルのTシャツまとめてみました。ヴィジュアルワークからにじみ出るレーベルの美意識を体験しよう。

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蒸し蒸しする暑い日が続きますね。もうお気に入りのTはみつけましたか? もしまだ迷っているなら、お気に入りの音楽レーベルのTシャツなどはいかがでしょうか。夏に向けて、各レーベルもTシャツだけでなく、いろいろなアパレル商品を出してきています。そういうわけで、この夏活躍しそうなアパレルをまとめてみました。せっかくの夏ですから、ウェアからにじみ出るレーベルの美意識を体感してみてはいかがでしょうか。

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ピュアな実験性が飛び抜けた存在感を放つ、バンクーバーの新鋭カセットレーベル〈1080p〉より。ヴィジュアルワークも常に高レベルなこのレーベルは、ロゴもとてもかっこよい。もちろんアパレルにもキレがあります。もう結構売り切れていますが、新しく発売されたペイントをモチーフとしたデザインが秀逸です。キャップの刺繍もいいですね。

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https://1080pcollection.net/collections/merchandise/products/paint-roller-short-sleeve-t-shirt?variant=18650623685

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https://1080pcollection.net/collections/merchandise/products/paint-roller-hat

Where To Now?

こちらははUKのWANDA GROUPやHELMなどを擁する、先鋭的なカセットレーベル〈Where To Now?〉。L字型に曲がったレーベルロゴもかっこいいですし、音楽性と同様にカバーワークもいつも異彩を放っています。シンプルなロゴ使いが主張しすぎていない感じでちょうどよい。

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https://wheretonow.bandcamp.com/merch/embroidered-logo-tee

〈Acorn Tapes〉

少し毛色は変わりますがビートミュージック、HIPHOPよりの音楽性、UKのテープ・レーベル〈Acorn Tapes〉より。トレードマークのどんぐりのロゴがかわいいのです。ダンスや実験系のレーベルにはテクノっぽいテイストが多い中、味わいのあるナチュラルな風合いが比較的着やすそう。Tシャツはベージュと紺があります。

https://acorntapes.bandcamp.com/merch/acorn-tapes-t-shirt-2

https://acorntapes.bandcamp.com/merch/acorn-tapes-tote-bag

〈Príncipe〉

1980年代のアンゴラに起源を持ち、ポルトガルにもたらされたダンスミュージックのクドゥーロ。そのクドゥーロをリスボンから発信する代表的なレーベルが〈Príncipe〉です。ここの特徴は味のある独特の手描きのカバーアート。背面の目から涙が流れるようにクロスしたモチーフは十字架のようでもあり、なにか独自の意味合いがありそうです。

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https://principediscos.bandcamp.com/merch/pr-ncipe-t-shirt-2

〈RVNGIntl.〉

エレクトロミュージックの良質な実験をフォローし続けている、ブルックリンの実験レーベル〈RVNG〉より。Holly Herndonの作品をリリースしていることでも有名ですね。ここはグッズをいろいろ出しているのですが、どれもすごくよいです。なかでもロゴをモチーフとしたデザインが多いのですが、どれも遊びが効いていてカッコ良い。

https://rvng.bandcamp.com/merch/rvng-intl-smile-tee

https://rvng.bandcamp.com/merch/rvng-intl-smile-cap

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https://rvng.bandcamp.com/merch/rvng-intl-wide-load-tote

〈PAN〉

今最も先鋭的なレーベルといえば、Bill Kouligasの運営するベルリンの〈PAN〉です。リリースする作品は一つのアートであり、その全体をアートとしてパッケージすることにこだわりを持つという美意識の高いレーベルならではの、シンプルで骨太なデザインです。

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http://p-a-n.org/product/pan-tshirt/

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http://p-a-n.org/product/pan-tshirt-black/

Bacon

レーベルではないですが、ゲリラ的にオンライン上で多彩な活動を繰り広げる正体不明のグループ、Baconのこの夏の新色ソックスが出ています。今回のルックがすごくいいので是非覗いてみてください。このカルチャー周辺の人ならもう持っている方も多いかもしれないですが、この夏の足元のおしゃれにいかがでしょうか。

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http://bacon-index.tumblr.com/2016socks

レーベル〈Good Enuff〉の貪欲なクリエイション。新しいアーティストの発掘、映像表現、そしてリリース形態の新しい実験。

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〈Good Enuff〉は無料DLに特化したDiplo主宰の〈Mad Decent〉のサブレーベル。そのさすがというべきいち早いピックアップは、ベースミュージックを愛し、そのディープな裏街道を探求し続けるDiploならでは。DL無料で、しかも平日は一日一曲のリリース。その旺盛なリリース量は、新しい流れを作っていこうという本気度の表れでしょうか。日本からは食品まつり A.K.A FOODMANがすでに数曲を提供しています。

Foodman “Sore Kei”

Foodman – Robo Taiko

しかし今回注目したいのは、〈Good Enuff〉の特徴あるクリエイション。

なんと、曲ごとにオリジナルの映像がつけられているのです。さまざまなアーティトが参加して映像を提供しています。そのこと自体とても贅沢なのですが、表現されている世界観もまた独特。

日本からはODDJOBのRuka NoguchiとMinami KitamuraがDirty Audioの曲に映像を提供しています。

Dirty Audio & Rickyxsan – Gettin’ That

全体としては、初期コンピューターグラフィックス風のテイストが印象的ですが、Diploは以前からこうしたインターネット的な感性が溢れるビデオを発表していました。ここにきて、その方向性を存分に解放させようとしているようにも思えます。フリーウェアで作ったようなチープな技術と、アイデアだけで立ち向かっていく。その戦法はまさにベースミュージックという音楽性と同じ。もっと言えば、それは今のオンラン文化にもひろく共有されている感性という感じがします。

新しいアーティストの発掘、映像クリエイターへの表現の場の提供、そしてリリース形態の新しい実験。こうしてみるとGood Enuffというレーベルはものすご多くのことをやろうとしているようにみえます。結果としてそれが面白い表現に注目を集め、シーンを形作っていくことになれば未来は明るいと思います。

http://www.goodenuff.com

KiWi – Sugar Panic (813 Remix)

Haan808 – Explicit Manner

Fossa Beats & Dugong Jr – Fuji

Mo Vibez – Waiting

Command Q – D1LL1GAF (V1P)

鬼才BALAM ACABの溢れ出る大量の新作。そして彼の新プロジェクトivyauraについて。

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先日、多幸感あふれる作品「&&&heartsss;;;」をドロップしたばかりのプロデューサーAlec KooneによるプロジェクトBALAM ACABの周囲がにわかに慌しくなってきました。長い沈黙の後に急に饒舌に喋り出した人のような、留まることのない大量のリリースはいったい??

そしてなんと、ivyauraという新バンドのスタートも発表されました。メンバーはポートランドを拠点とする2人組のバンドMolly shannon, Molly shannonの片割れのMichael。

以下は先日リリースされたivyauraのシングル。メランコリックな歌声をフィーチャーした、ノイズ感のあるテクスチャーが特徴の退廃的サウンド。かすかな光を手掛かりに暗闇を手探りで進んで行くような、BALAM ACABのスローで重厚な世界観も健在。彼によると、ふたりのコラボレーションはこれから発展する予定で、EPが出るかもしれないとのこと。

ivyaura, “SCUMBODY”

以下からはBALAM ACAB名義。彼のすごい部分は、重厚なヘビメタルのような金属的で内省的な世界に、ファンタスティックとさえ言えるような多幸感が融合しているところ。悪魔と天使が交合しているようなその世界観は、ウィッチハウスなどと形容されたりもしましたが、やはりこれほど独特な世界へと昇華できる感性はほかにはないと感じました。

水中のスピーカーで音楽を聴いているようなBALAM ACAB独特の音響は久しぶりに聴いいてもやはり素晴らしい。上昇感のあるメロディに、粘りのある反復ビートが絡む。独特の音響に伸び上がるようなヴォーカルが響き合う作品です。このジャケは一体なんでしょうね?

BALAM ACAB, “Just Stay / Come True 7″”

こちらは不協和音を奏でる絶妙なメロディに、スクリューされたボーカル使い。超高重力の惑星で鳴っているような低音と、サウンドの上昇感はより研ぎ澄まされており、古い教会で超大音量で聴けたらすごく気持ちよいのにと思いました。

BALAM ACAB, “SEE BIRDS ERA”

2011年の傑作「Wander / Wonder」を連想させるタイトル。「Wander / Wonder」の続きに位置付けられたシングルなのかもしれません。爽やかなボーカルに水中でノイズを聴いているような不思議な音の粒がまとわりつく、ファンタスティックで寂しげな楽曲。重厚さの中にも、ゆっくりと海面へ向かうかのような浮上感があって、心地よい。

BALAM ACAB, “WANDER / WONDER ERA”

こちらはアルバム。ドバイの水中ホテルのイメージというカバーはまるでVaporwave作品のようですが、サウンドは一転して軽やかでエクスペリメタルなグライムビート。煌びやかさとファンタスティックさが前面に打ち出された一曲目「FAIRYLAND」から、イルカの鳴き声が可愛らしすぎる「DOLPHINSTOMP」、トリを締めくくる「DUBAI SIREN」まで、「水」というコンセプトを表現した作品になっています。

BALAM ACAB, “CLUB WATER DISCUS”

Alex GrayのD/P/I(DJ Purple Image)としての最後の作品「Composer」のリリースが発表。

MASSAGE /

Alex GrayことD/P/I(DJ Purple Image)の新作リリースが発表されました。信じがたい話ですが、D/P/Iとしての活動はこれで終了になるようです。

Alex Grayの脱構築された美しいエレクトロミュージックは、オンラインアンダーグラウンドのシーンに新しい時代の到来を告げる美学を打ち立てました。崩壊してゆく繊細で、ダイナミックなストラクチャーとテクスチャー、抽象的で現代的な音色。無限にも思える豊かな語彙を備えたリズムのパターンは、破滅ギリギリの自然さを保ち、不安定な構造物を作り出しています。重力から解放されたそのパターンは、触れたら壊れてしまいそうなほど繊細で、だからこそ非物質的な軽やかさを備えていました。

彼の音楽は宇宙からやってきた新しい言語のように謎めいていました。だからこそ、聴くたびにいつも新鮮な興奮と、驚きを与えてくれたのだと思います。それは音楽というより、新しい時間芸術だったと言ったらいいすぎでしょうか。

LAで活動するAlex Grayは、自身のソロプロジェクトのD/P/Iのほか、バンドSun ArawやDuppy Gun collectiveのメンバーとして、またR&B/ヒップホップの名義Heat Waveや、アンビエント/ドローン名義のDeep Magic、JUKE/リディムの新名義Genesis Hullなど、現代の最先端の領域を丸ごと飲み込むような多彩な活動を行ってきました。去年は6つものヴァリエーションのあるアルバムを2GBのUSBドライブでリリースしたり、また日本ツアーも敢行しました。

彼の本職はデザイナーのようで、写真と独特のタイポグラフィで飾られたカバーワークがその音楽性にとてもマッチしていて、これまでに見たことのない空間の使い方がとても印象的だった記憶があります。

オンラインアンダーグラウンドのジャングルのようなカオスの中で、言葉にし尽くせないほどの強い輝きを放っていたAlex Gray。D/P/I名義での今後の新作はないのかもしれませんが、必ず何か別の形で新しい作品を聴かせてもらえるに違いない、と信じています。

新作「Composer」はShelter Pressより、ヴァイナルとCDにて9/9に発売予定。以下は収録曲「Pattern/WAYTA?」です。

D/P/I “Pattern/WAYTA?”

http://shelter-press.org/shop/

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Interview with Kari Altmann

ネットワークに接続したイメージをかき混ぜ、新しい生態系を作り出すKari Altmann。
アーティストはフィルター、そしてレンズになる。

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MASSAGE / Text: Yusuke Shono, Translation: Noriko Taguchi, chocolat, Goh Hirose

Kari Altmannというアーティストの作品をひとことで言い表すのはとても難しい。彼女のプロジェクトの多くが、音楽やデジタル画像、そして立体や映像、印刷物といった考えられうる限り最も幅広いメディアを複合的に組み合わされたものでできており、その表現のアウトプットもInstagramからTumblr、Soundcloud、実際の空間を用いたインスタレーションなどといったさまざまな場所に、ときには時を超えて存在しているからだ。

その作品から受ける印象は、とても皮膚感覚的なもので構成されているように思う。例えば複数の画像からやってくる、共通の触感であったり、色彩。またそこにある差異や、違和感。これらが独自のイメージ言語となり、これまで感じたことのないような感覚を創出している。リブログ的な画像から、自作のグラフィック、さまざまな要素が織り交ぜられるそのスタイルは、イメージが著者性という束縛を超えて、まるで自分自身の生態系を作り出しているかのようである。

彼女はこのインタビューで、多くのプロジェクトは継続的で散発的に成長していくものだと述べている。こうした制作の姿勢は、単一の物語に解釈されることへの抵抗のようにも見えるし、あるいは結果として既存のアーティスト像をそれが更新するものだとしても、そうした姿勢こそ現代という多メディアな環境を生きるわたしたちの自然な表現形式の一つということに過ぎないのかもしれない。

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Soft Mobility Video Teaser Editorial for ArtPapers Magazine

実際の展示だけではなく、TumblrやSoundcroudなど他のメディアへ作品を拡張させていくのがあなたの作品の特徴だと思います。そのような活動形態になったのはなぜでしょうか?

それはとても自然なことだったんです。形式は探究すべきだし、理解すべき。メディアやプラットフォームにしばられることには興味がないんです。主に心理的、社会的色彩、声あるいは前口述的なエネルギーを、自分は作品に込めたい。そうすればアウトプットが何であれ、理解できる。唯一の問題は、産業が追いついてないということ。だから彼らは1つの種類の仕事やカテゴリに制限しようとする。少なくとも今わたしたちはこうした制約から逃げられるプラットフォームを手に入れた。でも、ほかのものと同じようにプラットフォームにも限界はある。これがミックスしたり、全体性を保つことがよいことの理由。

またギャラリーとオンラインでは異なるシステムがあり、また異なる観客が存在していると思います。あなたはその二つの間を往復しながら、その二つにどのように折り合いをつけているのでしょうか?

それは作品によります。ギャラリーやイベントのためと同様に、エディトリアルや公共の場所でもたくさんのことを行ってる。まだその全部をエクスポートしているように感じる。それから、ほとんど作品は柔軟なフォーマットで印刷されたり、もしくはオンデマンドのみで発表されることが多い。目の前で触れる手仕事の部分を作り出すまで、人々にそれを見ないように交渉することは難しいけれど、状況はよくなってきている。すべての印刷物は、社会的、地理的および経済的な状況を、なんらかの方法で反映しているような気がする。旅を始めるとき、あるいは多くのスタートアップと作業し始めたとき、それは本当に面白いことになる。私はギャラリーで妥協したり、創造的なソリューションを明らかにしようとするけれど、その壁の内側にある物流構造にはまだ制約がある。だから時々はそれと戦って、乗り切らないとならない。願わくば、それが長い目で見て、私のあとにやって来る似た実践を行うアーティストや、自分自身のためになればと思ってる。

それに加えて、私はいつもウェブや映像、携帯機器、パフォーマンス、音楽などに戻っていく。私はEuro-GalleryやC.A.D.(Contemporary Art Daily / Computer Aided Drafting)スタイルの印刷だけやることにはプレッシャーは感じない。シェアできるものを作るのが好きだし、玄関をくぐって行くのではなく、瞬時に見ることができるものを作るのが好き。自分のやっていることをアプリ開発者のように考え始めている。あるいは自分のプロジェクトを様々なフォームに形を変えるデバイスやコード、集合のようなものとも考えている。自分のウェブが存在して、自分のアイデンティティを管理できている限り、個々の部品とそれらのメタイメージを、すべて一緒にするように設計を同時に保つことができる。親密な友人と同じように、自分の作品や、そのタグやイメージを世界中の人々にシェアすることは、みんなのもう一つの現実になり始めている。

あなたの作品は企業文化が作り出してきたテクノロジーや、ブランドが作り出してきたイメージを再利用しているものが多く存在します。あなたがそれらを作品化する方法論とはなんでしょうか?また、それらを作品に使用する際に気をつけていることはありますか?

私はどんな言語やイメージでも作り出すし、考察する。そこにはさまざまな理由がある。私はそれが理想主義者の美しさや、現実逃避であるかぎり、浅ましい魅力も、良性のストレスも信じている。コンセプトや共感するやり方において、ほんのちょっとショッキングなもの、怪しいものや実際に未加工で、原始的に感じるものが本当に好き。でもその背後には、より大きな感情的で哲学的な可能性があるべきだと思う。たくさんのレベルがあって、最初に引き込まれたり、あるいは反発のあとに時間をかけて解かれる、そしてもっと大きな領域に連れ出してくれるレイヤーのあるものが大好き。私は実際にその展開と目的について考えている。そして実際に自分が扱うマテリアルと一緒に暮している。

私はまたクトーニアン(クトゥルフ神話に登場する架空の種族)の海賊版、トロール美学、とても微妙な、あるいは説得力のある、まだ捉えられたことのない、ニッチな言語の中にいる。会社やブランドだけからではない。多くのタイプの言語、言葉遊び、生き物の写真や、携帯用のソーシャルメディアの写真、絵画の比喩、DJの比喩、CGIのキャラクターデザイン、セルフィー、あげ始めたら終わりがない。でもブランドは、偽りの普遍的な記号。ぞっとするほどね。ある人々にとってはほかのものより読み取りやすく、捕まえやすい。それは見過ごしやすい部分。

私はブランドを恐れてはいない。それらはミーム、そして記憶と本質的には同じだから。それらはアイデンティティ、そしてメタ・イメージがどのように働くかの方法。自分の作品はそれに触れる可能性があっても、ブランドや会社やテクノロジー、インターネットあるいはアルゴリズムに「ついて」の作品ではないと50回はいい続けたい。これはメタ・イメージ、共同ファンタジー・イメージ、そのソフト・パワー、そのミーム学、彼らの適応、そのハイブリッド状態、そして生存についての作品なのです。ブランドではなく、これらのメタ・イメージを参照すれば、企業への参照の鎖を断ち切れると思う。

私はハイパー資本主義、そしてさらに共同社会のオフグリッド、あるいはアンダーグラウンドのスペースやイメージで育ってきた。私にとって、そして私の周りのグループに機能する、何らかのイメージのシステムをいつも作り出そうとしてきた。だから私の言語は、その状況と環境を反映しているのです。

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HITASHYA, 2013-PRESENT
AUDIO, VISUALS, PERFORMANCE, INSTALLATIONS, VIDEO, ETC.

去年公開された最新のプロジェクト「XOMIA」について伺いたいと思います。あなたの作品の特徴であるテクノロジーへのファンタジーと、さまざまなメディアを横断した表現が高度に結合した表現であると感じました。もしよければこのような複雑な展示が生み出された背景について教えていただけますか?

「テクノロジーへのファンタジー」という質問への答になっているかは、わかりません。たぶん再定義を見込むなら、あるいはもっと柔軟な境界においてなら、それを理解できるかもしれません。

https://en.wikipedia.org/wiki/Zomia_(geography)

間違いなく不吉で、崇高な、優しい、そして同時に共感できるもののはず。展示されているものの幾つか(例えばFlexia映像の中の用語)は、とても恐ろしくて、怪しい。あるものは本能的で、あるものは静かで快適で、あるものは哀れで、笑えるもの。ほかの反応、参照や読み物の範囲の真ん中に位置しないとならないある種類の、瞬間的な生物学的な衝動をそのすべてがかき混ぜる。あなたがそこにいられたら、瞬間そこで生き、異なるリアリティに侵入することができるでしょう。

私は共同のファンタジー・イメージが、どのように周りにあるものをなんでも一緒に使用するようになって、地域や集団を作り出し、生物学的条件を作り出し、そしてあるいはその周りにある新しい土地、周りにある変化する場所を見つけるために適応し、動き続けなければならない、さまざまな力の対象になるのかについてたくさん考えてきた。メタ・イメージ、ネットワークに接続したファンタジー・イメージは、極めて重要な衝動であり、それは道を見つけるでしょう。だから、あなたはまたこれらのものごとが魅力の生態系とコード化された領土を確立する方法を、そしてどれだけ多くの異なる種類のものが混ぜられた地形で戦い抜くのかを、見なければならないのです。極めて多くの層やフィルタ、極めて多くの印象があります。私も内部レベルでは、DIYソフトのパワーと、境界の戦争について多くのことを考えています。でも、たぶん最初の世界環境内では、生き残るもの、曖昧さ、居所のなさを感じます。

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XOMIA (Return Home, Realflow, All Terrain) installed at Ellis King, 2015

最近どんなものに惹かれますか? アートでなくてもかまいません。

あらゆるものにある種のディズニーフィルターがあるのを観察し続けてる。たぶんそれは、春の汚染を通過した最新のHDの光る表面、あるいは携帯をアップグレードしないとならないということかも。わたしは再び、自分の目を更新したのかもしれない。光沢、宝石の音色、曲線、動いてると感じるもの、液体、かわいすぎるもの。その下には何かが潜んでいる。自分が見た韓国ドラマやインドの映画の多くにあるものを、わたしはパレットとして考えてる。ドバイでもそういうものを多く見た。「Hitashya」と「Ttoxhibaa」はそこに近づいている。地面を耕す、コアに浸透するファンタジー画像について、そして仮想現実のようなものがどのように文化に働くかについてたくさん考えている。私はレンズ、フィルタ、コードやコアに戻り続けている。境界と倫理について、感情の労働、そして最近の知性についてもまた、たくさん考えています。

もし今後の予定がありましたらおしえてください。

私はリニアなやり方で働かない。いつもマルチタスクで、季節のように、気分、そしてオーディエンスによって、その日ごとに注意をどこに注ぎ込むかを決める。自分のプロジェクトの多くは、ライブあるいは休止状態、そしてレイヤー化できる個人的なモードとして考えている。それらはまた、すべてが完全に死んでいるのではなく、時間をかけて進化します。

自分の作品はみな最終的な目的や(多くのリソースが必要になる)ショーに直線的に向かうよりも、散発的にアップデートされ、オンデマンドのプレゼンテーションに書き出されることが多い。あるいは最終のファイナルショーはわたしの人生の終わりかもしれない。ここで言っていることは、「XLTE」や「HITASHYA」、「SOFT MOBILITY」、「SUPPORTMELIKETHIS」、「ON HATCH」、「GARDEN CLUB」、「ABUNDANZIA」、「HANDHELD」、「VALUE SHIFT」、「ROMANTIC GESTURE」、「RESTING POINT」といった、順番待ちになっている現在のモードのこと。

実際に言ってしまうと、これは「HITASHYA」の影響を大きく受けているだけど、音楽に集中する予定。それから、「Soft Mobility」のためにペインティングや、短い脚本やパフォーマンスを作っている。春にはいつも「Garden Club」がアクティブ。天気があまりにも熱で変色するなら、血液が表面に登ってきて数週間は完全に「XLTE」の期間になるわね。

Kari Altmann
http://karialtmann.com/

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仮想空間の表現形式を追求する「Paper-thin」。そしてオンラインキュレーションの可能性。

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ふたたびオンラインキュレーションの試みを紹介したと思います。

「Paper-thin」はアーティストのDaniel Alexander Smithと、Cameron Buckleyにより運営、キュレーションされているオンライン上/アプリケーション上の作品アーカイブ。毎月、一人かそれ以上のアーティストがインタラクティブなバーチャル空間で、オリジナルの作品を発表している。

オンラインではアーティストのインタビューを、そして作品はダウンロードしたアプリケーションベースで鑑賞していく仕組み。「Paper-thin」はギャラリーではなく、実際にこの世界に存在するドキュメント作品でもない。それは純粋にデジタルの空間のなかだけに存在していて、完全にフィジカルな世界とのリンクを意識させない作りになっている。つまり、完全にオリジナルの仮想体験を作り出すことを意図している、というわけです。

オンラインキュレーションの醍醐味とは、新しい空間を作り出すことにより既成の展示形式を更新していくことのみならず、表現そのものもアップデートしていくことにあります。こうした試みが増えることで、その可能性はますます検証されていくことでしょう。そしてこの場所から多くのインディペンデントなキュレーターやアーティストが誕生していく、そんな未来が見てみたいと思いませんか?

http://paper-thin.org/

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Interview with Jun seo Hahm

韓国在住のアーティストJun seo Hahm。
彼が作り出す、イマジネーションを刺激するさまざまなクリーチャーたち

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MASSAGE / Text: Yusuke Shono, Transration: Noriko Taguchi

Jun seo Hahmは韓国在住のアーティスト。彼が作り出すさまざまなクリーチャーたちはこの世界の法則とは別の、パラレルな世界の存在を想像させる。人肌のようなソフトな色彩と、プラスチックのような素材感、無表情なかわいらしさ。数学的な規則性と、ほんのちょっぴりの毒気も含まれている。コンピューターグラフィックスをベースとした作品だが、手作りのような温かみとやさしさを感じるのは独特のユーモラスな造形のせいだろうか。まるで生命を宿しているかのようなこの存在に、一度出会ったら忘れることはできないだろう。

こうした不思議な生き物の作品を作るようになったきっかけを教えてください。
幼い頃、生物学者になりたかったんだ。今でも現実世界やバーチャルでの生物に生物学的な魅力を感じているし、生命一般にも興味があるんだ。今は、リバース・バイオロジストになったと思っている。なぜなら、生物学者は現実の自然の中で生物を観察し、一般原則を見つけるけど、一方僕は、生物のコンセプトを考え、生物を描いて、彼らのための世界を作っているからね。

あなたの作品に登場する生き物にはなにか背景があるのでしょうか?
通常は、生物のためのストーリーは考えないよ。僕は、もし作った生物が現実世界にいたら何が起こるだろうって考えることが好きなんだ。僕はよく時間や空間を「編集できる」世界をイメージする。それが、僕たちに生物の別の動きやストーリー、生き方のインスピレーションをくれるんだ。

実際の生き物の形態や生態などからインスピレーションを受けることはありますか?
そうといえるだろうね。動物園で「ライフ・ドローイング」したりはしないけど、自然界のドキュメンタリーや、猛獣の写真を見るのがとても好きなんだ。最近、Ian Stewart の ‘Mathematics of Life’を読んでいて、すごく面白くてインスパイアされたね。

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あなたの作品の色彩や質感からは温かみのようなものを感じます。作品の絵作りをする際に気をつけている点などはありますか?
生物やオブジェクトをいつもフレッシュに見えるように試みている。だから僕はCG作品の中でもSSS(Subsurface Scattering)が好きなんだ。僕は自分のビジュアル作品がリアルな素材よりも、材料や光によって触れるような感覚を持たせたいと思ってる。

作品を作る際のプロセスについて教えてください。CGを制作する際に、アプリケーション上で工夫していることなどはありますか?
ほかのアーティストも同じだろうけど、たくさんドローイングするようにしているよ。ドローイングや落書きがスタート地点になる。プロジェクトのために、まず大量のスケッチを見るんだ。それから、そのプロジェクトにあったものを選ぶ。それからCG化している。僕のCG作品は特別なスキルは使っていないよ。3Dアプリケーションを使い、CGアーティストならみんな使っているテクニックを使っている。だけど、最近プログラミングを学んでいるんだ。近い将来、作品がもっと良くなるよう、力を注ぎたいと思っているよ。

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影響を受けたアーティストなどがいましたら教えてください。
僕が好きなアーティストはリストにするとすごく長くなってしまうよ。毎日増えているからね。素晴らしいアーティストに驚かされることは、僕のアーティスト人生の中で幸せなことのひとつだよ。もし最近インスパイアされたアーティストを一人だけ選ぶなら、それはKarl Sims。

これからの作品作りに関するヴィジョンがありましたら、教えてください。
いくつかプロジェクトを抱えていて、その中には香港でのアートフェスティバルのデザインや、メディアアートの舞台のためのアニメーション作品、個展やグループ展などがあるよ。最近は、柔らかいロボットのような、実際に物体をつくろうとしている。もし時間に余裕があったら、ここ数年の作品をまとめた短編フィルムを作りたいな。将来はできる限り続けて、学び続けて、作品を拡張し続けられたらいいね。いつか、作品そのものよりも、重要で、なおかつ難しい部分である環境と状況を作りたいと思っている。

Jun seo Hahmは韓国ソウル市を拠点とし、アニメーションディレクター、グラフィックディレクター、メディアアーティストとして活動している。彼の最近の作品は、普段目にする生物にインスパイアされた、生物学のデジタル表現にフォーカスしている。韓国で理論を学び、アメリカのCal Artsで実験的アニメーションを学んだ後に、ポートランドのBent Image Labでデザイナー兼ディレクターを、またソウルのCheil Worldwideでプランナーとして働く。彼のフィルム作品は、Ottawa International Animation Festivalなど、数多くのフィルムフェスティバルで上映され、Adobe Design Achievement Awardなど、数々の受賞をした。最近は、韓国チュンジュにあるKunkuk Universityで大学の先生をしている。

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http://junseohahm.tumblr.com/
http://cargocollective.com/junkomix

バーミンガムのHolly Waxwingより、久しぶりのリリース「¯​\​_​(​ツ​)​_​/​¯」。躍動感のあるかわいらしいエレクトロニックサウンド。

MASSAGE /

バーミンガムのHolly Waxwingより、久しぶりのリリースが届きました。軽快で、躍動感のあるかわいらしいエレクトロニックサウンド。一曲だけのname your price。最近のライブサウンドデザインからの抜粋だそう。Holly Waxwingのライブは一度聴いてみたいですね〜。Giant ClawのKeith Rankinと何かやってるみたいで、そのうち新しいLPのリリースが発表されるかも?

Holly Waxwing, “¯​\​_​(​ツ​)​_​/​¯”
https://hollywaxwing.bandcamp.com/track/-

昔の作品ですが、ミュージックビデオもとてもよいのでこちらに貼っておきます。

UKの地下テクノを推す実験レーベル〈Seagrave〉より3作品リリース。常温の実験性。

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UKの地下テクノを推す実験レーベル〈Seagrave〉より3作のリリースです。8月はリリースラッシュなんでしょうか。

まずは、涼しげなエクスペリメンタルな楽器曲が詰まったコンピレーションが2枚。ひとつ目は「Abacus」というタイトルで、日本からはYoshitaka Hikawaが参加していますね。ふたつ目のタイトルは「Simoom」です。

両方ともミュージックコンクレート的な楽曲や、ノイズ、音響エレクトロなど、方向性はバラエティに富んでいて、小粒だけど新鮮なダウンテンポの楽曲が詰まっています。〈Seagrave〉特有のストレンジ感のある、ちょうどよい湯加減のアバンギャルド感というか、常温の実験性とでもいったらよいようなテンションが貫かれていて、とても涼しげな心地よさがあります。

最後は、AyGeeTeeによる「Ask Not Why」。インダストリアル感のあるエレクトロニカ。空間を感じさせる、立体的な音響ノイズ。こちらも程よい実験性が、耳にとても心地よい作品です。こちらはプレオーダー中で、26日に発売になる予定。

カバーワークは〈Phinery Records〉のロゴも手がけるNico Stephou。この人の手がけるジャケットは数学的な雰囲気が漂っていて、いつも独特でよいのです。

ぜひ聴いてみてくださいね。

〈PC MUSIC〉より最新のリリースが到着。Danny L Harleによる「Super Natural feat. Carly Rae Jepsen」。

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〈PC MUSIC〉より最新のリリースが到着しました。A. G. CookとのユニットDux Contentにも参加のDanny L Harleによる「Super Natural feat. Carly Rae Jepsen」。ポップで煌びやか、そしてロマンチックなダンスチューン。Carly Rae Jepsenの少し舌足らずなボーカルが、ガーリッシュかつ涼しげな一曲です。

http://www.dannylharle.com

Jonathan Zawadaによるアートワークもすごく良いですね。Jonathan Zawadaはめちゃくちゃリアルな手描きでファンタスティックなイメージを視覚化していたアーティストなのですが、近年はコンピューターグラフィックスを用いてよりコンセプチュアルな表現を行うようになってきているようです。以前、日本で行われたCALM & PUNK GALLERYでの展示もすごく印象的でした。ぜひJonathan Zawadaのアートワークもチェックしてみてくださいね。

http://www.zawada.com.au

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フィジカルな展示空間を解放するオンラインキュレーション・プロジェクト「new scenario」。最新の展示会場は肉体の「穴」。

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Paul BarschとTilman Hornigによる、ホワイトキューブの展示空間の領域外へ展示空間を拡張するプロジェクト「new scenario」の新作がベルリンビエンナーレの開催に合わせてアップされていました。

ジュラシックパーク、リムジンときて今回の展示場所はなんと肉体の「穴」です。コンセプトは「もし人間にミュージアムがあったとしたら、7つのギャラリーがある」とのこと。今回はテキストもあったり、こんなに体に穴ってあったっけ?って思ってしまうほどの作品数。なんと総計で40以上です。今回の展示はビエンナーレの一部でもあるようで、今までにない規模になったのはそのためかもしれません。

既存のキュレーションという概念を軽々と覆してみせる「new scenario」。そのラディカルな部分は、実際の展示を決して見ることができないという点にあります。彼らの展示の方法論は、フィジカルな展示であるにもかかわらず結果的にはイメージに定着されて初めて鑑賞しうるものです。そのコンセプトは、Artie Vierkantの〈Image Object〉の概念にとてもよく似ていますね。

しかし、とりわけ重要なのは、「new scenario」ではデジタルな意匠が消え去っているという点です。それはイメージが物質性から解放されることよりも、作品が設置される展示空間のフィジカルな性質から解放されることの方が、彼らが重要であると考えていることを意味しています。シンプルかつ小さなその発想の転換が、どれほど豊かな創造の可能性を生み出すのか、サイトを見てもらえれば理解してもらえると思います。過去の展示もすごいので、そちらもぜひチェックしてみてください。

http://newscenario.net/bodyholes/BODY_HOLES_fb

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Stedelijk Museumで開催中のJon Rafman個展について②。彼が体験型映像で作り出す、あたらしい形のバーチャルリアリティ。

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さて昨日はJon Rafmanの映像展示「Codes of Honor」と、「erysichthon」について書いたので、本日は2つ目の部屋についてレポートしたいと思います。2つ目の部屋にも映像の作品が2つ展示されていました。

今回の展示でまず印象的だったのが、インターネットを介して見ていた作品をやっと生で観れたということでした。あたりまえのことだけれど、PCのスクリーンから眺めるのと、実際に作家の意図したセッティングで作品を眺めるのとでは入ってくる情報の量が全く違います。とくに面白かったのが、作品を体験しているほかの観客たちのリアクションが見られたことでした。

静かに作品を鑑賞することが多い日本と違って、こちらの観客たちはわりと楽しそうに作品に接しているのをよく見かけます。これは文化の違いだと思いますが、Jon Rafmanのようなちょっと危険な内容の作品にも、子供やカップル、家族たちが素直に騒いだり、楽しんだりしている姿にはちょっと驚かされました。

それはこの展示が、ただ映像を鑑賞する映像インスタレーションではなく、すべてにおいて体験型の仕掛けが採用されていたというのが大きかったと思います。ほんとにちょっとしたことなのですが、こういう手際には作品をシチュエーションに合わせてグレードアップしていくアーティストとして技術力を感じさせられました。

さて、2つ目の部屋の作品のひとつが「Mainsqueeze (Hug Sofa)」というものです。去年あたりにNYで展示していた作品ですね。

映像の内容といえば、ものすごく特殊な性的趣向の世界が繰り広げられています。着ぐるみと緊縛が合わさったような、おそらくそういった行為で快感を得るような仕組みなのでしょうか。全身ラバーで包むのを好む人たちが日本にもいますが、着ぐるみの着用もそういった趣向として愛でられているのかもしれませんね。着ぐるみが動物であることも日本との文化の差を感じます。こういう要素はディズニーなどのアニメの影響なのでしょうか。

NYの展示は未見なのでどんな展示形式だったかわからないのですが、今回の肝は展示タイトルのカッコの部分にあります。展示を鑑賞するのに3人掛けのソファーが置いてあるのですが、これが特殊な形状になっていて、名付けて「Hug Sofa」。ソファの形状が、背もたれのサイドから突起状のものが前面にせり出ており、鑑賞者を包み込む形になっているのです。映像を見ようと思うと、そのソファーの中に無理やり体を押し込めないとなりません。そして座ってみると、鑑賞者はソファー自体に包み込まれている感じになるのです。その意図は明らかですね。

ふたつ目の作品は「Still Life(Betamale)(Ball Pit)」です。こちらの映像も以前の作品ですが、鑑賞方法がかなり変わっています。白い仕切りで囲い込まれた中に大量の白いボールが詰め込まれていて、鑑賞者はそのボールの中に埋まりながら見上げる形で映像を鑑賞する形になります。白い仕切りと白いボールは、バスルームを意識していることは間違いないでしょう。今回の展示のメインはこのJon Rafman風呂といったところでしょうか。

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このJon Rafman風呂への入浴体験はかなりのインパクトがありました。会場には子供たちも多かったのですが、次々とこの展示へ飛び込んでいきます。実際に子供にとってみたら、ボールに埋まるのはめちゃくちゃ楽しい経験に違いありません。ただ映像にはかなりセクシャルな場面が多くあるので、子供に見せていいのかなーと、いらぬ心配もしてしまいました。ただ大人だと逆に恐怖を感じるようで、入ろうとして断念した人たちが何人かいたことも印象に残っています。

せっかくはるばるやって来たので、勇気を出して子供たちに混じって体験してみました。やはり最初は恐怖を感じます。底なし沼にのみ込まれてしまう感覚といったらよいのでしょうか。全身を委ねると、どんどん体がボールの渦の中にのみ込まれていきます。体が安定したら、今度は逆に無重力にただよっているような、ものすごい安心感がやってきました。体験したことはないのですが、アイソレーションタンクに入ったらこんな気持ちになるのかもしれません。

https://vimeo.com/75534042

ここで映像についてなのですが、泥の沼に狼の着ぐるみを着た人間がのみ込まれていく印象的なシーンがあります。この展示もソファーの作品と同じような体験が意図されていることは明らかですね。彼が考えたのは、映像の体験をこの身で感じながら鑑賞するということなのでしょう。その特殊な趣向を自分も体験しながら味わうのですから、もう笑ってはいられなくなります。ちょっと意地悪ですね。

視覚で入ってくる人の体験する情報への共感度が、いろいろな仕掛けで強められるということはみなが知っていることだと思います。そのもっとも身近な例はゲームだと思いますが、簡単なインタラクションを導入するだけでも、体験のシンクロ率は上がります。またたとえインタラクションが0であっても、文学などのように表現の力でまるで書かれていることが自分自身に起こっているかのように感じることもありますよね。これらは、人間に備わった、コントロールできないイマジネーションの力にほかなりません。

逆に言えば、人間は受け取った情報に簡単にシンクロを起こしてしまうということです。Jon Rafmanは今回の展示で、そうした人の感情移入の仕組みをいろいろと検証しようとしているように思えました。視覚に異なる世界を再現しようとするのがヴァーチャルリアリティだとしたら、今回彼が作り出したもっと触知的な感覚です。たとえば最初の部屋にブランコが置いてあるのは、その映像作品にブランコが登場するからにすぎないのですが、やはり鑑賞者は実際に類似の体験を味わうことで、映像の世界にこれまでとは異なるやり方で没入することになるのです。これはまさに、新しいヴァーチャルリアリティだといえるのではないでしょうか。

いつもよりちょっと長くなってしまいましたが、今回の展示についてはこれで終わりです。Jon Rafmanというアーティストにはもっといろいろな側面があるので、もしこの後、ベルリンビエンナーレで彼の作品に出会うことができたら再びレポートしてみたいと思います。

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Stedelijk Museumで開催中のJon Rafman個展について①。インターネットの裂け目から発掘する入り組んだ欲望の形。

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インターネットの裂け目のような空間から、アートの新しい鉱脈を発掘し続けるアーティストJon Rafman。その彼の展示「I HAVE TEN THOUSAND COMPOUND EYES AND EACH IS NAMED SUFFERING」がアムステルダムのStedelijk Museumで開催されているというので、見に行ってきました。

今開催中のベルリンビエンナーレでは彫刻作品がいろいろ出品されているようですが、こちらは映像と映像を用いたインスタレーションがメインのようです。Jon Rafmanの作品といえば、よく9-eyesが引き合いに出されますが、逆にOneohtrix Point Neverのビデオクリップで彼のことを知ったという人も多いと思います。今回の展示もそのOPNの作品がバッチリとフィーチャーされていました。

そんな映像クリエイターとしての彼の特有な部分は、デジタルメディア周辺に漂っているさまざまな素材を用いて、新しい映像言語を作り出そうとしているという点です。たとえばアーケードゲーム、ヴァーチャルリアリティ、日本のアニメ、ネット掲示板、独特のフェティシズムやオブセッションといったもの。そこにあるものはオンラインサブカルチャーと呼ぶことができるものです。それらは特殊なコミュ二ティで育まれ、これまで多くの人々の目にふれることのない孤立した文脈でした。

けれどもインターネット以降の世界とは、突如としてそうしたものに出会うようになってしまった世界であるともいえます。外部からそうしたイメージと出会ったとき、わたしたちはきっと奇妙に思ったり、気持ち悪く思ったりするかもしれません。しかしそれは進化の形が私たちと隔たっているに過ぎず、単に入り組んだ形の欲望の姿であるだけなのです。

Jon Rafmanがそうした独特のフェティシズムやオブセッションのようなものを素材として用いる際に、どのような姿勢を持っているかは少しわかりにくい部分があります。けれども、そこに固有の文化的価値を認めていることは確かだと思います。Rhizomeに掲載された彼のコラム「Codes of Honor」によると、彼は2009年のほとんどの時間をアーケードの暗がりで時間を過ごし、その強烈な達成感と束の間の名声を味わい、ゲーム特有の悲劇的な要素を知ったと述べているからです。

さて展示の話に戻ります。今回の展覧会で、一つ目の部屋で人々が目にすることになるのが、このコラムと同タイトルの作品「Codes of Honor」なのです。鑑賞者は小さな箱型の空間でこの映像を鑑賞します。乗り込むタイプのアーケードゲームの体験をイメージしていることは間違いないでしょう。今回のインスタレーションはこのように、映像を鑑賞するだけでなく、実際に映像に関連付けられたフィジカルな形の視聴方法を作り出しているのが大きなポイントでした。

この作品はさまざまなゲームやそれに関連する映像のコラージュ、ローポリゴンなオリジナル?のイメージ、そしてモノローグで構成されているのですが、どこか物悲しさのような感情に貫かれています。エドワード・ホッパーがもし現代にアーケードに集うゲーマーを描いたら、このようなイメージになるのかもしれません。

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その視聴ボックスの背後には「erysichthon」というタイトルの神話をモチーフにした映像と、ブランコが空間にぶら下がっています。erysichthonはその神話の登場人物の名前で、その中身といえばとんでもなくえげつなくて、神聖な樫の巨木を切り倒した罰によりerysichthonはけして癒えない飢えを与えられ、そして最終的には激しい飢えにより自分自身さえ食らってしまう。そんな話です。今回のタイトル「I HAVE TEN THOUSAND COMPOUND EYES AND EACH IS NAMED SUFFERING」はこの映像から取られたものだそうです。

そこから読み取れるのは、彼がこの神話で語ろうとしているのが、無限に増幅された私たちの視覚のパワーがもたらす苦しみについての物語であるということです。 その悲劇は寓話ですが、どこか喜劇のような部分もあります。人間の愚かさと、愚かであることへの愛のもののようなものを僕はそこに感じるのです。彼が「Codes of Honor」で語った、伝説的なゲーマーたちの達成したものと、その儚さの物語にも通じるものがある気がしませんか。

このモチーフはビエンナーレに出品されている彫刻に拡張していっているようなので、そちらの作品も追跡してもっと掘り下げた報告ができたらと思っています。

ふたつ目の部屋の作品については明日時間があったらまとめてみたいと思います。

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urauny 個展「pop up store」@meee Galley Tokyo フィジカルとヴァーチャルの間を巡るリアル

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現在、uraunyによる展示が開催中です。インターネット以降の感性に独自に応答するアーティストのひとりである彼が今回選んだのは、中野と新井薬師のちょうど中間あたりにあるmeee Galley Tokyoという場所。

少しだけ商店街の情緒を残した街並みに、少しだけモダンなガラス張りの建物があらわれる。そんな商店が立ち並ぶ立地にインスピレーションを受けて設定されたのが「pop up store」というコンセプト。ショップといっても商品が並んでいるわけではなく、売られているのはurauny オリジナルのドッグタグのみ。

そのドッグタグにはあるアドレスが刻まれているのだけど、それが謎めいている。メッセージのヒントはたぶん前回の展示の言葉「web or life」に隠されている。言ってみれば自己言及の形をとった愛ということになるのだけれど、それがドッグタグというフィジカルを介して行われるのが意味深い。是非、自分の目で見て読み解いてみてください。

8月14日には§†§がVRコンテンツの展示をおこなうそう。こちらも注目です。

urauny pop up store 08/05/2016~08/17/2016

meee Galley Tokyo http://www.meee.jp

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Flamebait Label: Interview with Assault Suits

日本に着目する音楽レーベル〈Flamebait〉が追求する、
自由奔放で自己中心的、そして不道徳なもの。設立者Assault Suitsのインタビュー。

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MASSAGE / Text: Yusuke Shono

今回もレーベルについて。2014年から活動を開始した、イギリスのネットレーベル〈Flamebait〉を設立者Assault Suitsのインタビューとともに紹介したいと思います。

〈Flamebait〉のリリースのラインナップを見てみてください。Gorgeシーンの立役者の一人でもあるhanaliやらConstellation Botsu、DJWWWWと、異常なほど日本勢の割合が際立っているのです。その特異性は、Assault Suitsの日本への情熱といえるかもしれません。

リリース数は多くはないですが、クオリティの高いリリースからは、今のサウンドコラージュ、エクスペリメンタルのカオティックな熱気を伝えたいという強い意図が感じられます。その偏りを見ていると、いよいよAssault Suitsが見ている世界観がどんなものなのか興味が湧いてきました。彼のインタビューに入る前に、〈Flamebait〉のリリース物をすこしだけご紹介します。

こちらは〈Flamebait〉の設立者Assault Suits自身の作品。2014年と少し以前の作品になりますが、最初のリリースです。自由奔放に弾む音塊がぶつかり合って、美しい崩壊の軌跡を描くような、伸びやかで解放的なシンセサウンド。

日本のノイズアーティストConstellation Botsuの作品。容赦なくズタズタにされたサンプルとノイズ音が、巨大なパズルのように組み合わさり破壊的な美しさを作り出しています。


Constellation Botsu “ちゅざけんなッズベ公!!”

最後に〈Flamebait〉の最新リリースです。こちらはAirportの作品。AirportはMiranda Pharisのプロジェクトですが、さまざまな感情のスペクトルが光の中で溶け合って無感情になってしまったような、とてもエネルギッシュな表現になっています。これはすごい。


Airport “Lilies”

ほかにもいろいろと聴くべき作品がとても多いです。ぜひいろいろ探してみてくださいね。それではようやくですが以下に、Assault Suitsのインタビューをお届けします。

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まずはあなたのレーベルではたくさんの日本人がフィーチャーされていますね。もともと日本の文化に興味があったのでしょうか?
その質問に答えるとすると、ほんとうに長い答えになってしまうんだけど、それは子供の頃のどこかで始まったんだ。アニメをみたり、日本のビデオゲームで遊んでいて、それから特に多くのインディペンデントのネットレーベルを含む、現代のエレクトロニクミュージックにたどり着いた。

日本のアーティストや作品のどんなところに惹かれたのでしょうか? また、それが〈Flamebait〉の音楽性にどのようにつながったのでしょう?
自分はいつも日本のアートやポップカルチャーへの理解に自然と繋がっていた。いつも興味をそそられ、刺激されていると思う。子供の頃から、特定のビデオゲームやアニメやマンガ、特にスーパーファミコンやファミコンゲームとアキラはとても大きな感銘を受けていたんだ。イギリスに住んでいるので、それについては「部外者」のような部分もあるけれど、自分がこれからプレイする、あるいは今日もまだプレイしているたくさんのゲームや、自分が見るだろう、そして今も見ているアニメ、その全部がありきたりに陥る事なく、クリエイティブな「カタ」をうまく回避して作品を面白くしてる。過去の日本のポップ文化とのつながりを維持しながら、ヨーロッパや北アメリカの影響を吸収しているように思う。

これが少し個人的な、でもこの質問に関して重要だと思うこと。そしてエレクトロミュージックの領域でなぜ自分が日本のアーティストに興味を持っているのかという理由。日本から生まれてくる現代のエレクトロミュージックで、何年も前に興味をそそられたいろんなものが、今また活発になってきている。つまりそれは、自由奔放ということ。〈Flamebait〉を始めたとき、自分はいつも自由奔放で自己中心的で、不道徳なものをはぐくみたいという願望を伝えている。それが目標。

日本のアーティストにリリースのオファーをした経緯は?
いま言った資質の多くを、オンラインで見つけた日本のアーティストはすでにはっきりと備えていた。それで最初にHanaliとDJWWWWにコンタクトする意味があると思って、レーベルでリリースしたいか彼らに確認したんだ。日本のオルタナティブミュージックのシーンは、盛り上がっていて、常に成熟している。ときどき、他の場所よりももっと早いペースに思える。あとからじゃなく、そこに早く接続できたのはラッキーだったかもしれないね。

レーベル外の活動があれば教えてもらえますか? 
今年、Constellation BotsuとAirportをリリースしてから、さらに多くのパイプラインができて、それだけじゃなく、アーティストや音楽批評家、DJを招いてのミックスのシリーズも始めようとしている。現代と等価値な歴史的作品を集めたり、あたらしく冒険的なやり方で、ミックスの芸術にアプローチする作品を提示するためにね。ミックスは、オンライン上に圧縮ファイルとしてアップするから、直リンクからダウンロードできるようになるよ。Assault Suitsの10の章からなるミックスとMarcel FoleyによるHYPNAGOGIC MIXがもう聴ける。音楽ライターのAdam Harperや、Dane LawとDJWWWWが同じく、参加する予定。

次のリリースも日本のアーティストだそうですが、どんなものになる予定なのでしょう?
次のリリースは、CVNのフルレングスのものになる。タイトルは「Unknown Nerves」。期間限定のカセットを日本のCVNのライブだけで売る予定。そのすぐ後、DJ ND Fleshによるミックステープが、アーティスト自身が作ったショートビデオのシリーズと一緒にリリースされる。あと、Adda KalehのデビューEP「ID」以来、彼女の初めてとなる次のオーディオプロジェクトをリリースする計画もある。Adda Kalehは賞賛を浴びたルーマニアのパフォーマンスアーティスト、Alexandra Piriciのサイドプロジェクト。まだ発表できないプロジェクトもたくさんあるよ。

Flamebait http://flamebait-label.com/

Unknown Nerves - CVN
U.S.M! - DJWWWW
End Gorge - Hanali
ちゅざけんなッズベ公!! - Constellation Botsu