X会とパープルーム。ふたつの運動体がいわき市で見せる、過去と現在のシンクロ二シティ。

明日(9月17日)より、福島県いわき市のもりたか屋にて『X会とパープルーム』と題された展覧会が開催されます。

「X会」というのは、いわき市に75年前まで存在していた旧制磐城中学校の学生を中心に活動した美術サークル。コラージュの大家である洋画家の若松光一郎が所属したことで知られている。太平洋戦争の余波ですでに自然消滅したというその過去の運動に、パープルームの現在の姿を重ね合わせ、時を超えたシンクロニシティを引き起こそうというのが今回の展示の見どころ。

ちなみに本展示は、福島県いわき市平地区をツアー形式で巡ぐる芸術祭「カオス*ラウンジ新芸術祭」の一部として行われる。貴重なこの機会にいわきを訪れてみてはいかがでしょうか。

『X会』が太平洋戦争の余波で自然消滅してから75年が経ち、いわきでも『X会』の名は風化していきつつある。そんな局面で『X会』の舞台だった福島県いわき市の平に『X会』の設立からちょうど100年後の2013年に結成された『パープルーム』が召喚されたのは単なる偶然なのだろうか?

『パープルーム』と『X会』は活動の地域や形態の違いこそあれ似ているところがあるように思われる。自主独立の学生によって運営された『X会』、民間の私塾の形態をとる『パープルーム予備校』、それはともにオルタナティブな姿勢と言えるし、様々なクラスタを有しているという共通点がある。
『パープルーム』が『X会』の未知数「X」にパープルームの「P」を代入し『X会とパープルーム』として75年ぶりに、いわきの平に姿を表すことは必然だと思える。

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若松光一郎/Composition 30.8.82/1983/h194×w390(3点組)/墨、カゼイン、和紙/個人蔵

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坂本 夏子/夏(犬と坂道)/2014/h194.0xw162.0 cm/キャンバスに油彩/©Natsuko Sakamoto, Courtesy of ARATANIURANO/Photo by Ichiro Mishima

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リスカちゃん&パープルーム/パープルーム関連画像からリスカちゃんが生成して結晶化したもの『Parplume Art Fair』より

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梅津庸一/智・感・情・A/2012-2014/パネルに油彩/h.180.6xw.99.8cm each(四点組のうち三点)/パネルに油彩

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坂本夏子&梅津 庸一/開戦/2014-2015/h116.7xw182.2cm (2pieces)/キャンバスに油彩/©Natsuko Sakamoto & Yoichi Umetsu, Courtesy of ARATANIURANO/Photo by Fuyumi Murata

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フナイタケヒコ/UNTITLED B-1/1975/真鍮、木

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『パープルタウンにおいでよ』展示風景/パープルーム予備校/Photo by Fuyumi Murata

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智輝/「薬」/2016.8.31/紙にアクリル/h20.8×w13.2cm

出展作家:坂本夏子/福士千裕/百頭たけし/KOURYOU/鋤柄ふくみ/フナイタケヒコ/高橋大輔/飯田 jennifer 桃子/山本悠/花粉になった野方の空白/urauny/リスカちゃん/新井夏菜/qp/若松光一郎(特別出品) パープルーム予備校:安藤裕美/アラン/あま/智輝/梅津庸一

会場:もりたか屋2階〈福島県いわき市平三町目34番地〉
開催期間:2016年9月17日(土) − 10月10日(月) ※土日祝日のみオープン
開催時間:11:00−19:00
観覧料:1,000円(高校生以下は無料)
http://www.parplume.jp/tennji/tokusetu201609.html

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