Vapor Aesthetics #3-4

“Vaporwave Is Dead” 以降の現行Vaporwaveシーンにフォーカスする連載。
3~4月のベスト5。

Text: Sute_Aca, Title Image: 50civl

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“Vaporwave Is Dead” かつてはあちこちでささやかれたこの常套句も、すっかり過去のものになった現在。皮肉にもVaporwaveのリリース量は衰えるどころか年々増加を続けています。今日もインターネットのどこかで生み出されているVaporwave。この連載では “Vaporwave Is Dead” 以降の現行Vaporwaveシーンにフォーカスし、選りすぐりの作品を紹介していこうと思います。「Vapor Aesthetics」3~4月のおすすめ作品です。

  1. 骨架的 – Opal Disc / Sunset Melody

    2015年の夏、Luxury Eliteが主宰する〈Fourtune 500〉は「The Final Farewell.」という別れの一言を添えたコンピレーションアルバム『The Music Of The Now Age III』を発表してレーベル活動に幕を下ろしました。このコンピレーションアルバムに参加し、〈Fourtune 500〉の終結と共に蒸気のように消え失せてしまった骨架的が、『Opal Disc』『Sunset Melody』という新たなアルバム2作を携えて、再び表舞台へと戻ってきました。(同時に、2015年に公開されてすぐに非公開となった『Poor Homme』も『Cool Water』という題に変わり曲数も削られてリポストされています。)『Opal Disc』は2014年の録音と明記されており、『Poor Homme(Cool Water)』以降に制作されたアルバムのようです。同時にリリースされた『Sunset Melody』は2015~2016年の録音。こちらは時系列だと『Opal Disc』と地続きなアルバムのようです。2年ぶりの新作、とはいえ懐古趣味的なポップミュージックやスムースジャズにスクリューやエフェクトを施すという作風は一貫しており、相変わらずの骨架的サウンドを存分に堪能することができます。また、この2作のリリースに併せて「#vaporwave」というタグを付けることを頑なに拒んでいた骨架的が、すべてのアルバムに「#vaporwave」をタグ付けしているのを確認しました。彼に一体どんな心境の変化があったのか定かではありませんが、今回投稿された2作は、彼のキャリアの中で最もVaporwaveというミームに近接した作品群であると言えそうです。

  2. Vektroid – Telnet Complete

  3. Club Fantasy – Rainy Night in Hachioji

    「Onsen Vapour ♨」なるテーマに掲げ、日本とロンドンを股にかけた活動を展開するClub FantasyのデビューEP『Rainy Night in Hachioji』が、新鋭Vaporwaveレーベル〈Kaiseki Digital〉からリリースされました。本作は「眠らない大都市、八王子」を舞台に、4つのストーリーが展開されていく短編集のようなアルバム。新橋のシティホテルの一室で行われる情事を描いた#1 “Shimbashi City Hotel” 、爽やかな朝の何気ない至福のひととき#2 “Boss Coffee”、Jazzyな旋律とコーラスの掛け合いが雨の八王子を美しく彩っていく表題曲#3 “Rainy Night in Hachioji”は本作のハイライト。アスファルトを打つ雨音、男女の喘ぎ、自販機に硬貨を投入する音などの大胆なフィールドレコーディングや、ナレーションの導入は臨場感を生み、同時にシンセによる美しいメロディを際立たせているようにも思えます。4曲という短いアルバムながらも、聴き終えた後は映画を見終わったような余韻に浸れる、とてもドラマチックな作品です。

  4. V ▲ P Y D – フードコート ファンク [foodcourtfunk]

  5. Psychic LCD – Facade

    Psychic LCDは、18 Carat Affairとの共作などでも知られるLasership Stereoや、オフィスや公共施設に漂う清潔な空気感にアンビエンスを見出し、メロウなレタッチでオフィス・ジャムズという概念を築き上げたDiskette Romancesという名義でも知られているVaporwave作家。近未来的な仮想現実空間を想起させる『Nexxware』を2013年に〈Fortune 500〉からリリースし、それ以降、目立った動向のなかったPsychic LCDですが、およそ4年もの歳月を経て、新作『Facade』を〈Ailanthus Recordings〉からリリースしました。前作で発揮されていた審美性はより一層研ぎ澄まされ、ヴァーチャルリアリティ空間に没入していくかのような仮想現実アンビエント#5 “VR Virachey”、#7 “Data Drip” で展開されるデータ・ドリームなど、まさにデジタル世代のニューエイジといえそうな佇まい。〈Music From Memory〉や〈Melody As Truth〉などのレーベル作品を愛聴するリスナーの耳にも馴染むのではないでしょうか。

捨てアカ 島根県在住のVaporwaveリスナー