Mac上のフォルダやアイコン等をプログラムにより操作し、変容する瞬間を切り取ったグラフィック/映像作品を生み出すEmilio Gomarizの「Macintosh Lab」シリーズ。この作品は、『MASSAGE 10』のために特別に彼が作ってくれたもので、本誌にはこの動画をキャプチャーしたものが掲載された。キャプチャーは誌面のデザインに映えるように、縦長で制作されている。この作品ではディスクトップのフォルダを素材とし、そのパターンと動きを切り取ることにより美しい効果を生じさせている。動きも効果もMac OSの由来の機能を利用し、スクリーンの向こう側をサイケデリックなヴィジュアルアートへ変換する。Emilioによる解説をお届けする。

この作品はフォルダがドックへ縮小される前と、それがデスクトップエリア外に配置された時の、フォルダのウィンドウの位置を記録して再生したものである。背景色に水平のグラデーションが設定された複数のフォルダは、デスクトップの幅よりも水平に大きく拡大され、ドックから離れた位置に配置される。これにより、フォルダ画面が遷移する様が記録され、複数のフォルダをオーバーラップさせることで、フォルダが行ったり来たりするアブストラクトなアニメーションのヴィジュアルエフェクトを作り出す。今回、MASSAGE誌のために、「Macintosh Lab」から新しい作品をつくった。それが、「Vertical Desktop」だ。ここにある5枚のスクリーンショットにより、デスクトップ上でジニ―エフェクトにより様々な方向からフォルダがドックへ縮小される瞬間を切り取るだけで、アブストラクトな表現が可能であることが検証された。

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「Vertical Desktops」は複数のフォルダがドックに縮小化されるのと同時に、新しい複数のフォルダをつくりだす。このプロセスは、もともと1つのフォルダで行われていて、それが複数のフォルダになり、色々な位置のドック(下、左、右)に縮小化される。そのため、複数のフォルダはジニ―エフェクト本来の動きで、ユーザーは同時に停止させたり、感覚的に動かすことができる。
フォルダを複数化するアクションは、Macのデフォルトの機能ではなく、OS XのプログラムのTerminalのスクリプトを使っている。「Vertical Desktops」は、2011年にジニ―エフェクトでウインドウを縮小化する時にたまたま起こったエラーにインスパイアされている。それは、「Suctioning」として「Macintosh Lab」に加えられた。
フォルダを複数化して縮小化するアクションは、(例えば、デスクトップ上で)動きを止めるようなアクションは、オペレーティングシステムの仕組みと、デスクトップやフォルダの背景色、ドックの位置、最小化時のエフェクトなどといったユーザー主導型で、GUIへインタラクションできる可能性を示している。

Emilio Gomariz
スペインに生まれ、幼少より日本のアニメやゲームに親しむ。大学でインダストリアルデザインを学んだ後、「TRIANGULATION」というサイトを運営、多様なアーティストの作品を紹介する。自国の情勢悪化を機にロンドンへ移り、Macintosh Labなど一連の作品群を発表。現在はスペインで制作を続ける。

http://emiliogomariz.net