ラファエル・ローゼンダールがひっそりとアプリをリリース

ブラウザをベースにした作品から、近年はフィジカルへと進化したデジタル固有の感覚を作品化してきたラファエル・ローゼンダールが、ひっそりとアプリをリリースしていました。

その名も「Blurrrrr」。カメラに映るものを「ぼかす」というシンプルな内容です。単にブラーをかけるというのではなく、目の前の世界がラファエル・ローゼンダールの世界に一変します。この効果には彼の特徴である配色の効果が大きそうですが、単純なエフェクトの中にも彼の作品の中にある感覚を感じ取れることができて面白いです。

https://itunes.apple.com/us/app/blurrrrr/id1282509957?mt=8

アプリの制作者はTibor Udvariというアーティスト。ほかにもいろいろラファエルとアプリをリリースしています。僕が知らなかっただけかもしれませんが、思ったよりありました。こちらもダイナミックでなかなかよい。

https://itunes.apple.com/us/app/here-hear/id1249413969?mt=8

結構前に遡ると、こういうのも。対戦型のゲームで、タップで陣取り合戦をするという例に漏れずシンプルなアプリ。

https://itunes.apple.com/us/app/finger-battle/id424405825?mt=8

Tibor Udvariはラファエル以外の作品も作っています。下記は、アートブックにスマホカメラをかざしてAustin LeeのCG作品を楽しめるアプリ。

http://www.spheres-publication.com/product/spheres-austin-lee-second-edition

ARの手法を用いて、作品を作るのが得意な方のよう。ラファエル・ローゼンダールのようなデジタル領域のアーティストなら、アプリを作ること自体は目新しいことではないかもしれませんた、アーティストの作り出す世界の一端を感じることのできるリリースを手に入れられるのは、単純にとても嬉しいニュース。是非遊んでみてください。

Rafael Rozendaal
http://www.newrafael.com

Tibor Udvari
http://tiborudvari.com

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アンダーグラウンド・カルチャーの価値とは。La Mano Friaとその10年。

アンダーグラウンド・カルチャーの価値ってなんだろう?そんな基本的な問いをあらためて口に出して言ってみたくなったのは、先日、UPLINKの展示のために訪れていたLa Mano Friaと久しぶりに会うことができたからでした。La Mano Friaの展示は、自身の10年の活動を振り返るもので、日本のガムテープを用いて、彼が生み出してきたロゴやグラフィックワークを再構成したコラージュ作品をメインとしたものです。現在はすでに展示は終わってしまいましたが、再び彼と語り合えたのはとても嬉しい出来事でした。

2000年台初頭に僕は、彼の発信する強烈な社会的メッセージが込められたTシャツやレコードジャケット、レーベルのCDやレコードなど、その活動の虜になっていました。思い起こせば、彼のようなハードコアな姿勢で活動する人たちの出会いがもっとも大きなインスピレーションの源で、それがなかったら僕もこのようなメディアを作ることはなかったかもしれません。

それから結構年月が経ち、シーンの姿も様がわりしました。自分自身が自明と思っていた価値も、長く続けていくうちに色あせて、その意味合いも不明瞭なものになっていきます。生き物のように人間の表現も進化していくものだから、僕は変化しいてくのは当然だと思っています。こうしてアンダーグラウンドな表現領域を見続けて、いままた改めてこう口に出してみたくなってしまいました。アンダーグラウンド・カルチャーにある価値とは何なのか、と。

この世界では日々新しいものが生み出され続けています。毎日のように入れ替わっていくヒットチャートや、人々の気分や流行、進化するテクノロジーなどといったものと、アンダーグラウンド・カルチャーは何かが違うのでしょうか?

そこには二通りの解答しかありません。一つ目の答えは、アンダーグラウンドもそのほかのものも何も違わないというものです。こう言うこともできるでしょう。あらゆる価値は等価であって、それを愛でる人の数が違うだけなのだと。

実際、その考え方は理解できるものです。そのことを一度理解してしまえば、等しく同じ姿勢であらゆるものを楽しむことができます。極めて柔軟だし、とても開放的な姿勢だといってもいい。文化を等しく楽しむそのような姿勢から、今後さらに新しいものが生み出されるかもしれない、そういった予感すら持っています。僕の印象をいえば、こうした姿勢は今の若い人たちに多いような気がしています。

もう一方の答えはもう言わなくてもわかりますよね。僕はいまだアンダーグラウンドな文化にある価値を信じ続けています。先程触れたように、これは世代的なものかもしれません。アンダーグラウンドの文化自体が、当時は身の回りに溢れていたから、その価値自体を自明のように思っていました。きっとこの領域にいる人はだいたいそうで、皮膚感覚で生きているから、その価値が何なのかなんて口に出したり、ましてや書いて発表するなんてことはありません。

僕に言えることは、La Mano Friaのようにその価値を見つけた人々が、たとえ実際にはどのような苦境に立たされていても、自分の信じた価値をさまざまな表現の形に変えて発表し続けているという事実だけなんです。僕が彼からインスピレーションをもらったように、それがまた誰かに伝わっていく。表現者、そしてそれをサポートする者、観客やメディア、レーベルすべてが輪のように繋がっている。それがこのカルチャーの全容なのです。そこになにか価値があるとしたら、その文化の全体としか言いようがない。そういうことです。

うーん、やはり伝えるのは難しい。言いたいこと、うまく伝わりましたでしょうか?

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Esprit 空想の新作アルバムをVRで体験する、オンライン視聴会が開催

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日本の作曲家YOSHIMIが〈PYRAMIDS〉より、「Japanese Ghosts II」をリリース。

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Internet Yami-Ichi Brussels #2 インターネットヤミ市の夜@ブリュッセル

2012年からはじまった、インターネットをテーマにしたマーケット「インターネットヤミ市」。毎日のようにフェイクニュースや炎上が巻き起こるネットとは真逆に、ヤミ市はネットからインスパイアされた「おかしな」アイデアに満ちたアイテムがひしめく、あかるい?マーケットです。

今回旅行も兼ねて、2度めの開催となるブリュッセルのヤミ市に潜入。はじめての土地で荒んだ空気に若干ドキドキしながら開催場所のiMALに向かいました。到着したときはNotendoというグリッチニットのブランドを手がけるJeff Donaldsonが、自身の作品のコンセプトを解説するプレゼンテーションを開始する寸前。「いいタイミングに来たね」というような会話で、再会を祝いました。Jeffさんは各国のヤミ市に出品していて、日本にも何度か訪れたことがあります。今回は新作アイテムを出品しているとのこと。

開催場所だった地下空間はまるでガレージのようなスペース。規模感は日本での開催と比べて少し小さく感じたものの、ホームパーティに訪れたような落ち着いた雰囲気が漂っています。ビールでも飲みながら出品者たちと対話を楽しんだり、ゆったりと過ごすのが良さそう。聞くとヨーロッパではこういった空気感になることが多いそう。

今回はネットアーティストであるJan Robert Leegteと、彼が教えるArtEZ美術大学の生徒がたくさんのアイテムを出品しており、学生たちの腕試しの場ともなっていました。

誰もが知るあのデスクトップイメージを背景に、ポララロイド撮影できるサービス

一時期海外の人達の間で話題になったアノ絵文字も

出品者から解説を聞かないと、なんだかわからないものが多いのもヤミ市の特徴のひとつ。

以前、本サイトでも取り上げた、The Internet Shopのメンバーとリアルで会えたことも嬉しかった思い出

グリッチニットのパターンがどのように生み出されているかを解説するJeff Donaldson

Hard Disk Bandはハードディスクの回転音で音階を作り出し、演奏を行った。どうやって音階をつくっているのか謎です

顔認識の仕組みをで遊べるグラフィックTシャツSnapshirtのショーケース

ブリュッセルのヤミ市も出品者のテイストや方向性は、日本とそんなに大きな違いはなさそう。強いていえば作品の売り買いというより、自分の作品についてプレゼンしたり、参加者たちで交流する場という性質が強い感じがしました。

インターネットが今や巨大になりすぎたといっても、そこに居住して遊ぶアーティストを含んだ人々は、まだたぶんそんなに大きな人数ではないのかもしれません。だからこうやって実際に会ったりできることにも、不思議な感動があります。SNSなどで繋がったりしていても、今の今をリアルに感じたり、実際にいっしょにビールを飲んだりできる。小さな喜びかもしれませんが、そういう普通の営みも結構重要だと感じました。そんなことをビールを片手に考えながら更けていく、夜のインターネットヤミ市@ブリュッセルでした。

写真提供:iMAL

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