2016-Oct-3035 Shares 

hardvapourを標榜するウクライナ発のレーベル、〈H.V.R.F. CENTRAL COMMAND〉よりハローウィンにちなんだコンピレーションがリリース。

久しぶりにhardvapour関係の記事です。ウクライナ発のレーベル、〈H.V.R.F. CENTRAL COMMAND〉よりハローウィンにちなんだコンピレーションが届きました。hardvapourというと〈ANTIFUR〉というレーベルが目立っていますが、こちらもウクライナ発。ちょっと想像できないですが、ウクライナのシーンってどんなことになっているのでしょうか。

hardvapourというと僕なりの理解では、Vapourwaveの暗い部分を推し進めたようなジャンルというイメージ。フィリップ・K・ディックの描くようなサイバーパンク、汚れた空気が汚染する未来都市の倦怠と憂鬱を想像します。こういうサウンドがVapourwaveの系統に由来するということには若干違和感を覚えるのですが、北の果ての大地でまったく異なる創造性を獲得したのかもしれません。まったく今風ではないこのジャケットデザインといい謎が多い。ある種のギークぽさも感じます。そのあたりは姿勢として共通している部分も感じますが…。

そのhardvapourを標榜するレーベルが、ハローウィンというテーマというのはまさにという感じです。全体的にホラー感に貫かれていますが、実際のところかなり幅広い。49曲というボリュームに加え、アーティストのセレクトが興味深いです。

なにかと巷を騒がせているVapourwaveのアーティストPZAや、先日レーベル〈Hausu Mountain〉のインタビューで紹介したLockbox、日本からは Constellation Botsuなどの名前も挙がっています。ラップなんかも入っていたりと縦横無尽に横断していく感性には自由さを感じますし、なんだか共感するところもあります。

Name Your Priceで49曲とは、かなりお得な一枚ではないでしょうか。

2016-Oct-2611 Shares 

しー辰こと〈Constellation Tatsu〉より、Rhucle、Hakobuneなど2人の日本人を含む4つのアンビエント作品がリリース。

しー辰は2012年の設立以来、現行カセットシーンで重要なアンビエントの作品をリリースし続けてきました。そのへんのことは以前、Dirty Dirtさんが連載で紹介してくれましたね。

http://themassage.jp/dirt-on-tape-vol-05/

そんな〈Constellation Tatsu〉がレーベルの強い美学を感じさせる、本日新しい作品を4ついっぺんにリリースしてくれました。

東京のアンビエント作家Rhucleによる繊細さの奥に、強い芯を感じさせる「Fantastic Garden」。水が流れる具体音にメタリックなシンセの持続音が少しずつ変化しながら交錯していく。極端なほどに削ぎ落とされた要素が、ミニマルであるがゆえの幻想をかきたてます。スピーカーから流れるサウンドで空気さえ浄化されてしまいそうな、清々しい作品。

イギリスを拠点に活動する古いカセットテープを掘り起こすテープコレクター、Stuart Chalmersの作品「In the Heart of Solitude」。エコーの効いたギター音が、生き物のように次々と見たことのない形を作り出し、新しい絵を描いていく。たった5曲の間に数光年を旅したかのような、長大な物語が圧縮されているような展開。その抽象性の中に、どこか懐かしさすら感じるニューエイジ、アヴァンギャルド・フォーク。

8年間で50作以上のフルアルバムを制作したという精力的に活動する、日本のアンビエント/ドローン作家Hakobuneによる作品「In Arboreal Whispering」。流れる温風のように厚みのある持続音がゆっくりと脈動し、サウンドの皮膜に包み込まれてしまうような独特の安心感を感じさせる、気持ちのよい作品。

RoseはReuben Sawyerというイラストレーターの名義のよう。幻想的なロマン派的な画風で、とても独特です。絵と同様に暗く、粒子の粗いノイジーな音楽性。ささやくような女性ボーカルに、底から支えるように一定のビートが刻まれる。廃墟になった教会に鳴り響く賛美歌のような、退廃的な風景に差し込んだ光のような作品。彼のイラストが見られるTumblrも以下に貼っておきます。

http://rainbathv.tumblr.com

こういうずっと続けているレーベルが、常に先端の音を求めながらも、強い芯をつかんで離さないでいられるというのは本当にすごいことだと思います。ぜひ聴いてみてくださいね。

2016-Oct-1723 Shares 

虚構世界で使い果たされた時間と夢。White Goblinの彷徨える亡霊のようなサウンド

White Goblinはロンドンを拠点として活動するミュージシャン。〈Psalmus Diuersae〉からのリリース以降、その作品が確認できるのはYouTubeぐらいで、そのプロフィールは謎に包まれていました。ひとつはっきりしていることは、彼がTeribilis、Dj Save The NHS、Oxhy、Englesia、Ganx、Intentionally cold、infernal butcheressなどが所属するコレクティブXquisite Nihilの一員だということぐらいです。

そんなWhite Goblinの新作が、本日10月17日に〈Quantum Natives〉よりフリーDLにてリリースされました。独自の世界を持つ〈Quantum Natives〉からというのはとても頷ける素晴らしい展開ですね。また、YouTubeで発表されたビデオもとてもよいです。

ノイジーなテクスチャーの中にかすかななにかが形を取り始め、気づくとその燃立つ夕焼けのような世界に没入しています。泡のように不定形な音響、繊細かつローファイな、寂しくも懐かしい感覚。White Goblinのサウンドには、使い果たされた時間と夢の追体験しているかのような、荒廃した光景が広がっています。

ダウンロードはこちらより。

今回の収録曲、「🎲 U0001f3b2 (Seventh Realm)」について書かれたsimforartの美しいテキスト。以下のリンクより読むことができます。

http://simforart.blogspot.jp/2016/06/white-goblin-u0001f3b2-seventh-realm.html

現在、simforartの主催者でもあるDJWWWWと地下ダンジョン的なアルバムを一緒に制作しているみたいなので、そちらもとても楽しみです。

3週間このゲームをプレーしている
そして町の門にいる赤の集団に殺されずいまだ何もすることができない
泥棒たちは私のものっているものを奪っていく、青ブロックのプレイヤー、そしてショップでは犯罪者たちによって殺される
このゲームには嫌がらせをする者たちしかいない
彼らは殺し、その持ち物を奪うことで最初の街から去らないことがはっきりしている

私はゼロからスタートし続けなければならなかった
そしてただ騎乗の獣医に殺されるためだけに、自分のいた場所をバックアップした
彼らの鎧はほとんど破壊不能だった…
…そしてその武器は鎧を真っ二つにし、一撃で殺すことができた
彼らは初心者が行く街の墓場でお金を稼ぐためにキャンプさえした。

そのコミュニティはあらゆるものについて秘密主義だったので、新しいプレイヤーが成長するのは難しい。
そのコミュニティのほとんどのプレイヤーが大きな力をひけらかしているからだ。
彼らは追跡し、殺すために街の外の土地をパトロールしている。
だから生きて世界を探検するのがやっとだろう。

その土地を探検する唯一つのやりかたは幽霊のようになることだ
このゲームはうまくあなたの人生を引き継ぐかも知れない

自分の体を包む銀のローブとともに数字を入力する
私を盲目にし、恐れでいっぱいにする
彼らは何をしてるのか私に尋ねる。
いくらゴールドを持っているのかと。
なにを運んでいるのかと。

私は肉しか持っていないと伝えた
彼らは所持品を捨てるように言った

娘が私に所持品を捨てるように言った。

私はすべての希望をなくしている。

彼らは私を殺すと言う。

終わりは近い。

2016-Oct-140 Shares 

直線的なヴァーチャルから、錯乱した現実へ。iphoneと洞窟壁画をテーマにした展示「iphone mural」が10月28日より開催。

布施琳太郎キュレーションによる展示「iphone mural」が10月28日より開催されます。この展示はiphoneとミューラル(壁画)という言葉からなるタイトルからイメージされる通り、スマートフォン以降に出現したわたしたちの新しい自然環境を、かつての洞窟壁画に描かれた古代の人々の自然への向き合い方と対照させようという試みです。

会期終了後には本展示の記録写真/画像を中心に批評などを掲載した冊子を刊行。また映画監督のスズキケンタによるCM、そして岡野謙人によるドキュメンタリーが公開される予定とのこと。

インタフェース/メディアとしてのiPhoneが作り出したわたしたちのフィジカルな新しい環境に、古代における洞窟という空間の意味や、描くという行為がいったいどのように接続するのでしょうか。とても気になります。

〈iphone mural〉は、現代の錯乱した「現実」について、洞窟壁画を通して考える中で用意された企画である。旧石器時代からの超時間的な断絶を経て、新しいバージョンの自然として「現実」は現前した。実際、あの化石的絵画の自然との向き合い方は、近代のパースペクティブを逸脱しており、最も知的な現代アートのパラレルな可能性であるとさえ言うことができるだろう。そこで本展では洞窟壁画のパラレルな可能性を提示する。

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布施琳太郎/「不誠実な声帯」/2016/会場の建材、ディスプレイ他

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urauny/「pop up store」/2016

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ぼく脳/「みど漫」/2016/漫才

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海野林太郎/「イメージとのまぐわいかた」/2016/インスタレーション

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國冨太陽/「1000001しょうけん命がんばるシーン」/美術・キャスティング國冨太陽

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山形一生/「レイズデッド」/2015/展示会場近辺の草、モーター、蛍光灯、プログラム/写真:川久保ジョイ

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香月恵介/「Nymphéas-1905」/900x1000mm/2014/Acrylic on canvas panel

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ナクヤムパンリエッタ ツイッターアイコン

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都築拓磨/「在りし日のLE5-002」/2015/パネルに油絵具

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庄島明源/「気持ちは属しているけど性質は属していない-概念を表わす名辞テルム」/2016/粘土

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鐘ケ江歓一/「HELLO-RACE」/2016/映像

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磯村暖/「地獄の星」/2016/インスタレーションビュー

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iphone mural (iPhoneの洞窟壁画)
2016年10月28日16:00より10月31日6:00まで

企画・配置:布施琳太郎/メインビジュアル:rei nakanishi
出展作家:
「iPhone」布施琳太郎/rei nakanishi
「説明のない匂い」urauny/ぼく脳/海野林太郎/國冨太陽
「ι δ έ α」香月恵介/都築拓磨/山形一生/ナクヤムパンリエッタ
「無限の無」磯村暖/鐘ケ江歓一/庄島明源

会場:BLOCK HOUSE B1F (神宮前6-12-9)
アクセス:明治神宮前駅より徒歩5分、原宿駅より徒歩8分
http://m0n0g0t0r1.tumblr.com/iphone_mural

2016-Oct-120 Shares 

Lily~ultrademonのレーベル、〈DeepSpaceObjects〉よりコンピレーション「Beta Orionis」がリリース。

シーパンクからジューク、ゴルジェという新しいカテゴリーを取り込み、華麗に変身を遂げたLily~ultrademon。日本ツアーの記憶も新しい彼女のレーベル〈DeepSpaceObjects〉より、カセットテープのコンピレーション「Beta Orionis」が10/15にリリースされます。

〈DeepSpaceObjects〉はAnuj GirdharとLilyにより今年初めに設立されたばかりの音楽レーベル。レーベルとしては3つ目のリリースとなる。メンバーはLilyのようなLGBTコミュニティの出身者だけでなく、さまざまな国籍や民族から構成されている。Del Dot名義で​コンピに参加の共同主催者Anuj Girdharはプロフィールがなにやらただならぬ感じで、電子音楽の作曲家であるのみならず理論物理学者でもあるよう。仕掛け人のような立ち位置なのでしょうか。

本コンピには〈anybody universe〉主宰のLaxenanchaosをはじめ〈CLOCKHAZARD〉主宰者のLimited Tossや食品まつりなど、ツアーの影響か日本勢も多く収録されている。実験的かつハイエナジーなスタイルの表現が集められている印象です。

さらに、先日行われたLilyのツアーをきっかけに、日本発のコンピレーションも制作されることになったそう。ツアーのために集った3つのレーベル〈anybody universe〉、〈Booty Tune〉、〈GORGE.IN〉が主体となりLilyを含む総勢15組のコンピレーションを、そしてフットワークジャングルを打ち出す集団AMENLIFE/AMENDJZもコンピレーションを制作中だそうです。

Lilyをきっかけになにかが形をとり始めた予感。どんなものになるのか、とても楽しみです。

Side A
Sweetie​ – Sleep In My Arms
Jon Monteverde​ – Ita
Del Dot​ – Drowning
Jeremiah Fisher​ – Queen Moet
Lauren Bousfield​ – Amethyst Payment Plan
Swim Choir​ – Stay
食品まつり aka Foodman​ – Ika
Twelvecoaster – Brain Freeze

Side B
Anika​ – Tel-a-car
Renick Bell​ – Glistening (Fractal Beats 160617a)
Jana Rush​ – Beat Maze
Lily​ – Alpha Primed Catwalk
Laxenanchaos​ – Way Back After She Ditched Me
Limited Toss​ – Get Down (160VIP)
Sha Sha Kimbo​ – Destroyed By Madness